第59話 防衛について考える
渚から戻ると午前中は、サリアさんに呼ばれた。
来客は午後になるそうだ。
話は
この国の錬成技師達が錬成した
これは、他国へ情報を渡さない事を阻止する以外にも、ローベンシアは他国への侵略を禁ずると言う意味も含まれていた。
今回、俺がその禁を犯したからだ。
と言っても処罰が、と言う事ではなかった。
諜報部の齎した情報では、専守防衛では間に合わない危険があったからだ。
国境を越える前に敵を殲滅する必要が有る。
その手段を考えると、
この国の錬成技師達には造れないそれを、俺に準備して欲しいそうだ。
設計図を提供する事も出来ると伝えた。
しかし、それは拒否された。
「
サリアは、この国の錬成技師達にその「枷を負わせられない」と答えた。
「そうですね……。 俺もそう思います 」
俺の造った
特定の条件でそれは発動が出来、一斉に廃棄が可能になっている。
複数の者が造った場合は、一斉廃棄が困難になってしまう事と、俺の造った
魔力量など総合的に見て三倍強の性能差が有るそうだ。
フレイアの
「ざっくりですが、平均して三倍強の能力差がある様です 」
「これはっ! 赤く塗る必要があるかな? 」
などど口にしたら。
「赤くすると性能が上がるのですか? 」
と真剣に聞かれてしまった。
「え~っと。 冗談です…… 」
そんな遣り取りのあと、国境線へ配備する機体の設計など、此れから必要な事を詰めていった。
◇ ◇ ◇ ◇
敵が国境を越える前に敵を殲滅する……
「サリアさん。 そのためには遠距離砲撃と防御に特化した機体が必要だと思うのですが」
「そうですね……、移動速度は普通で良いと思いますが、攻撃距離と範囲は広くあった方が好ましいとは思います 」
「なら、特殊兵装で距離と範囲を稼げれば、国境への布陣は従来機で賄えるから、数も揃えられますね 」
射程が長く広範囲に攻撃できるなら、必ずしも越境の必要は無い。
「そうなのですが、現有の特殊兵装にはそこまでの射程が無いのです 」
聞いた限りだと、視界の範囲が攻撃範囲になるそうだ。
そのため、必然的にこの世界の魔法は長射程のものは無く、
見えない場所の攻撃魔法が無いのは、
正確な目標の無い範囲攻撃、所謂広域殲滅魔法のような物は無いのかな?
「少し、考えてみます。 多分、向こうの考え方を応用できるかと思うので 」
ただ、目標の情報を入手し位置情報とリンクさせる手立てがあるのかな?
「この世界には、衛星やレーダーを使ったセンサー・システムが無いからなぁ 」
イージス武器システム、それ自体は純粋な対空戦闘システムである。
イージスシステムの概要は。
レーダーなどのセンサー・システム。
コンピュータとデータ・リンクによる情報システム。
ミサイルなどの攻撃システムの連結。
これによって、戦闘のあらゆる局面において、目標の捜索から識別、判断から攻撃に至るまでを、シームレスに行なうことができる利点が有る。
「地球のイージス防衛システムの概要なんですけどね。
これの考えかたを
この世界には便利な魔法があるから幾つか統合できる。
「
一機を、多機能レーダーと指揮決定システムに特化した指揮機を設計する。
次がデーターリンクの方法かな。
この世界には電波の概念が無いから、妨害される懸念はないよね。
そのまま使えるか。
後は、攻撃方法だけどミサイルやロケットが有効かなぁ 」
「ミサイル? ロケット? それは何ですか 」
「えーっとですね。 どう言えば……そうか! 観てもらえばいいのか 」
そう考え、タブレットを取り出した。
「で、これならいいかな 」
ナビ経由で実は通信が可能だったりする。
動画サイトで火力演習などの動画を再生した。
「これは!? 凄いですね。 火を噴く……空飛ぶ棒?ですか。
でも…… あっ爆発しましたね!!
今度は…… 連続して火を噴き! 火柱が! 」
ロケット砲や迫撃砲、ロケットランチャーなどの映像を見て驚いていた。
「考え方は、火炎の魔法を詰めた球を、敵陣へ飛ばすと言う考え方です。
球は対象に当たる、若しくは領域で火炎を発現させる。
飛ばす方法は色々ですが、バリスタやカタパルトと言う手もありますね。
遠距離に飛ばすなら、風魔法が一番でしょうけど……
他にも方法はありますけど、どうですかね? 」
◇ ◇ ◇ ◇
標準的な
魔導騎兵(軽騎兵・重騎兵・高速騎兵など)戦術単位が三体
機械化歩兵(装甲騎兵・狙撃兵など) 戦術単位が三体
機甲猟兵(山岳猟兵・狙撃兵など) 戦術単位が三体
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