相談電話

水蛭子

第1話

「今日も自殺志願者を止めてやったぜ」

自慢する同僚に俺は言う

「どうせこんなところに電話してくるやつなんて死ぬ気はサラサラねえんだよ」

「いいんだよ。別に救えたって思えばいいじゃん。形だけでもこう言うの作っとけばさ。体裁ってやつ?」

「まあ給料もらえるからいいよな。グチ聞いてるだけでいいんだからよ」

俺はここに電話をかけてくるやつらを見下している。

「でもさ。ずっと聞いてると気が滅入るよな」

そう言う同僚に俺は返事をする。

「どうせ構ってちゃんなんだから時々はカウンターくらわせてもいいんじゃね?」

「おいおいそれはマズイだろ」

笑いながら同僚は言う。

「じゃあ俺そろそろ帰るわ」

「おうお疲れー。カウンターはやめとけよー」

笑顔をつくって返事の代わりにする。

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