すこーし痩せたBIG CAT

 英語でbig catとは大型ネコ科動物の意味で通常トラやライオンをさす。


 しかし我が家の猫を見ると皆必ずビッグキャット!と叫ぶ。トラよりは少し小さいと思うけれど、普通サイズの猫よりはかなり大きいのだ。


 大型ネコ科動物は大好きなのでどれだけ大きくなってもいいのだが、太りすぎは健康に悪いので、心配だった。


 いつも行く病院でワクチンの予約があったので、また検査をしてもらうことになった。


 大好きな獣医のファット先生。先生が太っているわけではなく(いや先生もかなり太目なのだが)猫を連れて行ったときにあまりにも重いチャチャに「ファーットデブ」と言ったことから、ここで勝手にファット先生と呼んでいる。


 かなりがさつな先生なのだが猫たちはいつも安心している。野生の小型ヤマネコのようなチャチャがシャーをしないなんて名医に違いないと「アメリカで猫と暮らす。第2話かかりつけの獣医にて」に書いた。


 この日のメインはワクチンだ。


 猫のワクチンは種類によって1年に1回と3年に1回があり、旅行に行くときに預けるPetSmartのホテルは1年以内のワクチン接種の書類がなければ預かってもらえない。


 ワクチン料金は2匹分で今回は230ドルだった。


 ワクチンの内容と内訳は


〇ネコ白血病 30ドルFeline Leukemia Booster 30 


〇狂犬病 28ドル)Rabies Feline 3ye 28


〇ウイルス性鼻気管炎、カリシウイルス、汎白血球減少症の三種混合25ドルFVRC PC Booster 25(Feline Viral Rhinotracheitis, Calicivirus, Panleukopenia)



そしてワクチン前の健康診断 46ドルPhysical Exam for vaccination 46 

 


もらってきた書類を見るとにゃんこたちの正式名称は

Domestic short Hair (国内の短毛種)と書いてあった。


そしてチャチャの欄にはオレンジタビーと書いてあり、コタローの欄にはグレイタビーと書いてあった。この言い方は知っていたけれど、ドメスティックショートヘヤーなどと言うかっこいい名前がついているとは知らなかった。


 コタローの名前の欄はKOTAになっていた。この先生はコタローの発音ができずにいつも(コーティアロゥ)と呼んでいたのだが、ついにあきらめたらしい。


 最初にチャチャの体重をはかった。先生も助手も必ずオーマイガ!!といって笑う。アメリカ人から見ても大きいらしい。あの狂暴なでっかいチャチャをひょいっと抱っこして奥に連れて行った先生はやはり只者ではないと思う。チャチャが大暴れしないのは、この先生とペットホテルのきれいなお姉さんだけなのだ。これでホテルもここに決めたのだった。


 なんと、少し痩せたチャチャ。9キロから8.5キロに。先生と助手から拍手された。

Cahcha 18.75ポンド(8.5キロ)そしてコタローも kota 18.2(8.25キロ)に。



 ワクチン前の健康診断(46ドル)は、体重をはかり、歯を見てお腹を触ってお尻に体温計を突っ込む。だ。


 前回チャチャのお尻に突っ込んだ体温計をそのままコタローに使って驚いたのだが、今回もチャチャのお尻の後は消毒なしだった。さすがに夫が聞いたのだが「兄弟で一緒に暮らしてる場合は消毒しないわ」だそうだ。

 

 ちと、ずぼらな先生だけど、2匹ともシャーしない。こねくり回されているのに。なんかすんごい。いろいろな意味で。


 コタローのほうはおとなしいので大体問題なしに終わる。ただし、私たちが触っていると大音響でゴロゴロが始まる。なんて能天気な猫なんだとずっと思っていたのだが、ゴロゴロは緊張した時にも発するのだそうだ。コタローは怖がりなので、つい喉を鳴らしたのかと思うと、天然だよねーと言って悪かった。


 どちらも注射さえ問題なく終わった。さすがのファット先生だ。よく見ていると先に毛皮を思いっきり引っ張る。驚いてる間にちゃっちゃと3か所打っていた。


 手際よくいつもすぐに診察も終わるのだが、この日、この後にとんでもないことが起こるのだった。


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