T・H風味
「おはよう」
「おはようございます、博士」
「きみはさっき饅頭を食べたかね?」
「どうしてそれを……」
「きみが口を開けたときにかすかなにおいがした。ヨゴミ饅頭だ、そうだろう?」
「そうです」
「食後には熱い抹茶を飲んだ。産地は京都だ、ちがうかね?」
「はい、そうです。すごい洞察力ね」
「わたしに協力して欲しいのなら、ヨゴミ饅頭のひとつくらい差し入れしても罰は当たるまい、そうだろう?」
「ごめんなさい」
「まったく気のきかない女だ。きみの腹の虫は泣き止んだが、わたしの腹の虫は泣き止まない。さよなら、クラリス」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます