そんなこんなで、軍事演習の日までやってきた。


「さて、とうとう当日か。」


現状、今回の計画の失敗点は見つかっていない。


アインがそう考えていると、だんだんと、各国の首脳たちが集まり始めていた。


ちなみに、この島までの移動に関しては、飛行船で来てもらうことにしていた。


(さて、どれくらいの兵を連れてくるのか。)


今回、アインの敵対勢力に関しては、軍事演習を行わないことにしていたが、それでも、私兵をまったく連れてこないということはあり得ない。


つまり、今回の飛行船を、各国で出してもらったということは、今回に関しては、どれだけ兵を持ってくるかに関しては、自由なのだ。


しかし、今回、軍事演習に参加する者たちに関しては違う。


なぜなら、軍事演習をするための兵を用意できなければ意味がないので、参加する国に関しては、アインの転移魔法で運んだ。


「それにしても、意外と連れてこないんだな。」


アインは、島の全体頭が見える場所からそんなことを言った。


「まぁ、各国の軍部にとっても、まったく知らないところなので、あまり行きたくなかったのではないですか?

それに、各国の兵からすると、敵国に行くわけですので、命の危険もあるのですし…」


「それもそうか。」


「それでも、国王の護衛なしではいけないので、さすがに強い護衛が付いているのではないでしょうか。」


「そうだな。」


「とりあえず、我々も登場までの時間が迫っているので、さすがに向かいましょう。」


エリにそう言われたので、アインも会場のほうへ向かうことにした。


「それにしても、今回に関しては、魔術師が主体の演習だが、的を用意しておいたほうがいいかな?」


「そうですね。

我が国の魔術師のレベルで適当に魔法を撃ってしまうと、災害が起こるかもしれないですしね」


「まぁ、海になんか落ちた日には、海の中のモンスターや生物が浮き上がってくるだろうな。」


そんなことになってしまっては、その生みの生態系を破壊してしまうので、さすがに的を作ることにした。


「的に関しては、魔法を吸収する魔法がいいのだろうが、魔法を吸収するということは、当たった時の爆発などが起こらなくなる。

つまりは派手さがなくなるんだよな~。」


さっき言ったような被害を減らすためには、魔法を吸収してくれる的を作ったほうがいい。


しかし、それをやってしまうと、対象にあった時に起こる効果などが消えてしまうため、はつどうからあたるまでにどうにかして、派手さを醸し出さなくてはいけないのだ。


「そうですね…

難しくはなりますが、当たった瞬間の効果は残したうえで、それを吸収できるような的を作れればいいのですが…」


エリはそういったが、それは、魔法の範囲が広くなってしまうので、難しい事なのだ。


「わかった、作ってみるよ。」


それも、アインの前では関係のない話、アインは会場に向かうまでに、魔法の構造を考えて、的を作っていくのだった。

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