第487話勢力圏

「それで、今回は、どのようなことを話すのだ?」


「お互いの協力に関して話し合いましょう。」


アインは、今回に関しては、そこまで警戒をしていなかった。


なぜならここにいるのは、そこまで強くなく、今向かい合っているものに関しても、その大陸では武威を誇っているのかもしれないが、バルバロット帝国からすれば遅るるに足りないような国だったのだ。


「協力とは?」


「簡単に言ってしまえば、互いの国の国民や、技術が行き来しやすいようにし、互いの成長につながるようにしたいのです。」


アインは、今までの経験上、この計画は相手さえ認めてくれれば、この計画は成功しているのだ。


しかし、今回に関しては、そう簡単にはいかなかった。


「協力に関してはいいだろう。

しかし、お互いの技術を共有することに関しては、我が国としては反対だな。」


「どうしてですか?」


「我々の武装技術に関しては、大陸最高といわれている。

そして、それによって経済発展までしているのだ。

この武装技術が我々の手以外にわたってしまえば、我々の経済は崩壊してしまう可能性もあるだろう。

それに、我々は、現状そこまで困っていない。」


そう、そこが問題なのだ。


今までの国に関しては、国に何かしらの問題を抱えていることが多かった。


しかし、この国に関しては、現状そこまで驚異的な問題を抱えていない。


だからこそ、この経済同盟をそこまで重要だと思えなかったのだ。


「そうですか…それでは技術の共有は無しにして、普通に友好を深めていきましょう。」


「そうですな。」


今回に関しては、特に何も取り決めもなく、これからも仲良くやっていきましょうということを確認しただけで終わった。


(まぁ、こんなもんかな。)


アインに関しても、そこまでこの国に関しては、求めていなかった。


ある程度自立しているような国に関しては、そこまで同盟を必要としていない。


だからと言って、同盟をしていない国すべてが、求めていないのかといわれれば、違う。


中には、同盟したくてもできていないだけの国なんかもあるのだ。


そんな国をアインは重点的に誘っていった。


その結果として、これから戦争は多くなるだろうということだ。


しかし、その戦争は今までとは違い、基本的には防衛戦争になるだろう。


今回の同盟していないけど、同盟したい国に関しては、自国の周りや、近くに強大な国があって、その国から、自国を守るためにも同盟をしておきたかったのだ。


しかし、そんなことを知っている国からしてみれば、巻き込まれてしまうかもしれないということで、今までは、同盟に入れてもらえなかったのだ。


それに対して、バルバロット帝国に関しては、今までの戦争での死者数は極端に少なく、さらに、まだまだ1軍なんかに関しては、全然行動したことがない。


つまり、その軍を動かせば、大体の国に関しては、どうにかなってしまうのだ。


そして、そのような脅威にさらされている小国は各地にある。


そんな国を守るという建前を持ったまま、アインは自国の影響下にある国を増やし、着々と勢力圏を伸ばしていくのだった。

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