第340話報酬の修正


「な、何だ?」


王は、一端聞き返してしまった。


「そんなに難しいことではないです。簡単に言えば、同盟加盟のときの報酬を通信魔法具以外にも上げるということです。」


「つ、通信魔法具以外ももらって良いのか!」


「ええ、すでに加盟している2国にも、上げますよ。」


「それで…いったい何がもらえるのだ?」


「それは…金です。」


「か、金か?」


「ええ、金です。」


王は理解できなかった。


なぜなら、確かに、話題になっている国では、お金が無いことも問題の1つだった。


しかし、それ以上に軍部と、農作物の生産量に問題があると考えていたからだ。


「お金だけ渡されても、かの国は復興できないんじゃないか?」


「何故?」


「あの国の現状の問題は、軍部と作物不足です。もし、仮に、今年は豊作で結構残っている国があったとしても、その国が来年豊作かは分からないですから、金だけでは輸出をしてくれるところは結構少ないと思います。」


そう、その国だけではなく、この大陸のほとんどの国が、自国民の分だけしか無い、きつきつの経済だったのだ。


「安心してください。兵の増援も、物資の調達も両方やってくれる国は有ります。」


「そ、そんな国有るのか?」


「ええ、あります。」


「少なくとも、私は知らないが…!」


そこで、王は分かったような雰囲気を出した。


「まさか貴国が出してくれるのか?」


「ええ、それと、わが国と親密な関係がある国ですね。信用は出来ますよ。」


アインが、外交官を名乗っている国では出せないような量の支給をするつもりだったので、あらかじめ1国ではないことを伝えた。


それでも、全てアインの国なんだが…


「しかし良いのか?もしも、アイン殿の国が、同盟加入報酬で金を渡し、それを使って、物を買われたら、ほぼアイン殿の国は無償でいろんな国に物を売ることになると思うのだが…」


「ええ、だから最初の一回だけです。一回は報酬ということで、お金を渡しますが、それ以降は、対等な関係としていくのです。」


アインは、一回は助けるが、それ以降は自分でどうにかするか、今のうちからお金を貯めて、いざというときに、また頼ってもらうことを期待していた。


「分かった…そして、これも聞いておきたいんだが、我々への報酬だ。」


「はい。それがどうかしたのですか?」


「いや、わが国は現状、他の国に比べると、経済が安定している。そのため、報酬が減らされるということは無いか?」


「安心してください。全ての国に、同じだけの額を払いますよ。」


「そ、そうか…それでは良かった。」


「一国に多くを渡してしまうと、他の国に文句を言われるでしょうからね。」


「それもそうだな。そこのところはしっかりしているようだ。」


「それでは、今回はそのことを良いに来たので…あ!後2つほど言わせてください。」


「何だ?」


「実際、いくら報酬として渡すのか。そして、新同盟国への説明です。」


「前半は分かるが、後半は何だ?」


「まぁ、それも説明しますから。まずはいくらかのほうです。」


そしてアインはいくらかを話し、それで良いかを確認するのであった。


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