第317話存在してしまう差

「さて、これで3人。どうする?この人数のままクエストを受けてみる?」


「どっちでも良いぜ。」


「ア、アイン君にお任せします。」


(う~ん。)


アインは困ってしまった。今、このパーティに足りないものはたくさんある。けど、それらをそろえるためには時間がかかってしまう可能性があったのだった。


「それじゃあ、一回だけこのパーティでクエストを受けてみようか。」


そして、アインたちは、冒険者ギルドに向かった。


冒険者ギルドにつくと、最初に行ったことは、シオドーラの冒険者カードを作ることだった。


「はい。これで手続きは終わりました。それでは、どのクエストを受けますか?」


今、アインとシオドーラは登録したばかりの新人ということなので、まだ、簡単な依頼しかまわってこなかった。


「おい、何であの方にもっと良いクエストを渡さないんだよ。」


「お前!だから俺たちは不干渉でいろって言われてんだろ!」


例のアインのクランに入っている人たちの中で、アインに対してもっと上のクエストを渡せと受付嬢に言う人もいたが、近くにいた約束を覚えている人に止められていた。


「うん?どうかしたの?」


「いや、なんでもないよ。それにしても、Fランクのクエストってこれだけしかないんだね。」


「そうだね。しかもシオドーラさんが得意な討伐系のクエストは2つしかないよ。」


Fランクで受けられる討伐系のものは、スライムの討伐と、ウルフの討伐だった。


「まぁ、他のクエストは置いておいて、このパーティの問題点を見つけやすくなるために、まずはこの2つを受けてみようか。」


そして、アインはこの2つを受付嬢に渡して、そのクエストを受けた。


この2体が出てくるのは、両方とも街の外にある平原だったので、3人はそこまで移動した。


「よし、それじゃあ、結構な数あるから、ここでいったん別れよう。僕とシオドーラはまだ、Fランクだけど、戦闘面では大丈夫だと思うから。」


そして、3人はいったん別れて、おのおのが見つけ次第、殺していった。


すると、平原の近くにあった森のほうからオーガが出てきた。


「ん?何でオーガがここにいるんだ?まぁ、良いか。」


そして、アインは少し強力な魔法を放って、オーガを一撃で倒した。


(あんな依頼とは関係ない魔物に時間なんてかけていられない。)


そして、アインは倒したオーガの冒険者ギルドに届けなきゃいけないところだけを取って、すぐにスライム、ウルフ探しに入った。


そして、このオーガは他の2人のところにもやって来ていた。


「あ?何だあれ?変な生き物。」


シオドーラの住んでいたアマゾネスの森の中にはオーガはいなかったので、シオドーラがオーガを見るのは初めてだった。


「ウォォォォォォォォォォー!」


オーガは威嚇の意味を込めて、大きな声で叫んだが、次の瞬間。


「うるさい!」


シオドーラにそう言われながら、爪で首を斬られてしまった。


「あ、良かった。爪伸びてたわ。」


そんな悠長なことを良いながら、逆に爪が効きにくく厄介なスライムに全力を出していた。


そして最後の人。ヘレンは…


「え…オーガ…嘘…」


硬直してしまっていた…


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