第259話傲慢

そして、その光は世界中を覆った。


「アイン様、よかったですね。成功ですよ。」


「成功って言ったって、誰もいないよ?」


「城の上にたくさんいますよ。まぁ、熾天使なので少ないですが・・・」


「何人くらい?」


「天使を何人で数えるのかはわかりませんが、ざっと100人ですね。」


「それって、すごいの?」


「結構すごいですよ。だって、この世界以外からも召喚してしまったのですから。」


「そうなんだ。でも、そもそもこの世界には何人いるの?」


「この世界ですと、私やユキを含めて12人ですね。」


「それじゃあ、100人って・・・」


「結構多くの世界の熾天使が来ていますね。」


「う~ん。だったらできるだけ早く返したほうがいいね」


「まぁ、天使たちにとっては貴重な体験なんですけどね。」


「まぁ、そこはいいじゃん。それじゃあ、来るまで待つか。」


「とは言っても、すぐに来ますけどね。」


そして、アインの光は世界中を覆ったことによって、世界中の人がその光を感じ取った。


「ふっ、世界を覆う光。この闇の炎を操る私を倒す素質のあるものが生まれたか・・・」


「・・・王様、足が震えていますよ?」


「ふ、ふふふふふふふふふふふ。こ、これは武者震いさ。」


「本当にそうですか?」


どこかの国の王は、この光にビビッてしまい、


そして…


「お、おお。これは神秘の光。つ、ついに神がこの世界に来たのだ~!」


「ほ、本当ですか。司教様!」


「ああ、そうに違いない。」


あるところでは、教会に居る、司教が勝手に神の光臨だと間違えていたりした。


そして、もっともこの光のおかしなところは…


「何だ?この光は?」


「さぁ?よく分かりませんね。何でしょうか?」


「もしかして、このダンジョンのトラップか?」


「ただ、ダンジョンを照らすだけのトラップなんてあるのか?」


「僕の知識の中には無いけど、僕たちの中に、光魔法を使ったものはいなそうだし、これは、少なくとも、ダンジョンの光か、自然に発生した光だろうね。」


そう。地下にあるダンジョン。それも、階層ごとに扉で分けられていて、他の階層とは完全に遮断されたダンジョンの地下でも、この光は地面、そしてダンジョンを貫通して輝いていたのだった。


(何だ?この光は?)


(これは、天使召喚の光だね。まさか、まだ天使を召喚できる力が残っていたとは…)


(どの方向で召喚されたか分かるか?)


(分かりづらかったけど、何とか分かったよ。)


(本当か?それじゃあ、どこだ?)


(今向かっている所。)


(は?なに言っているんだ?)


(本当にそうだよ。だって、君のターゲットのアイン君が居る城からこの光は出ているもん。)


(しかし、天使の召喚には結構大きな力が要るんだろ?)


(うん。結構大きく、そして、教会に属している人が多く必要なはずだよ。)


(つまり、あのアインは教会とも一枚かんでいたのか。)


(そう考えたほうが自然だね。)


(まぁいい。こっちには天使の攻撃を食らわないハデスが居るんだから。)


(食らわない訳じゃないですよ?ただ、ダメージが無いだけで…)


(そんなのは関係ない。一気に行くぞ!)


(まぁ、僕たちはそれに従うよ。)


そして、本人であるセノヴァはあまり驚かず、それでもなお、自信があったのだった。


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