第246話一軒に必要な時間


「これはまずいね。」


「動きますか?」


「そうするよ。」


「では、どうしますか?アイン様」


前回の声の正体はアインとエリだった。


「う~ん。まさか不安になって、体につけておいたカメラの映像を見たら、こんなことになっているなんて…」


「しかし、早めに気が付いてよかったですね。」


「本当に、そうだよ。」


そして、2人は最初に話していた、どうするかの話に戻った。


「それで、どうするのですか?」


「それは、何とかして処理をするよ。」


「処理するくらいだったら、アイン様も目指してみれば良いんじゃないですか?」


「どういうこと?」


「あのエドウィンのやり方をまねるのですよ。我々はエドウィンと反対の海から、あの大陸に侵入をして、あの大陸にある国をだんだん支配していくのです。」


「そんなことをやったら、その国がかわいそうじゃん。」


「本当にそうでしょうか?」


「え?」


「アイン様の国の街はどの街に常ににぎわっています。そして、向こうの国の中には、戦争の影響によって、この国より貧しい国がいっぱいあるのです。その国にとっては、救済とも呼べるのではないでしょうか?」


「しかし、そこまで貧しくなくには…」


「大丈夫ですよ。だって、貧しくないって事はどこからか奪ってきたって事ですから。アイン様のように無から有を作れないのであれば。」


「そう?」


「そうです。なので、問題は無いと思いますよ。」


「まぁ、他の意見もないし、それを採用するよ。向こうの大陸でエドウィンとも最終決着をつけてみる。」


「はい。がんばってください。」


「それじゃあ、向こうに行く兵を集めようか。」


そして、アインは兵を募集し始めた。


すでに、兵の数が千万人を超えたアインの国では、200万人くらいが集まった。


「よし、結構な人数が集まったな。」


「どうやって運ぶのですか?まぁ、想像は付きますけど。」


「転移魔法で飛ばす。でも、この人数は少し面倒くさいから、神の力を少しだけ使うことにするよ。」


「分かりました。」


そして、アインは神の力の一部を利用して、200万人を別の大陸に移動させた。


「ここで良いのかな?」


「はい。座標的にあっていますね。」


「それじゃあ、素材を出していくから、皆で作っていこう。」


素材を出してみると、副職として大工をやっている人も結構居たので、簡単に建物が建っていった。


「アイン様、王城以外の全てが完成しました。」


「分かった。僕は一時的に簡易的な家でいいから、それを作っておいて。」


「そんな!アイン様をそんなところに住ませたらわれわれがエリ様に怒られます…」


「本人には僕のほうから言っておくから良いよ。」


「わ、分かりました。」


そして、数十人の大工は、アインの家を10分で完成させた。


「アイン様、簡単とは言いましたが、アイン様の住む家なので、他の家よりも時間をかけて作らせてもらいました。」


「え?他の家って一軒どれくらいの速さで造っているの?」


「一軒1分くらいですね。」


「そ、そうなんだ。」


そして、アインは造ってもらった家に入って、どの国を攻めるかを考えようとしていた。


「どの国も、簡単には支配できそうに無いな。」


「アイン様。」


「何?」


「エドウィンのやり方で良いのでは?兵をいくつかの部隊に分けて、1部隊に1つの国を落とさせる方法。」


「なんか、直接出向かないと、さすがに無礼じゃない?」


「支配するのですから、無礼なんか関係ないですよ。それに、いざとなったら、属国にすれば良いのです。昔の7位の国みたいに。」


「あ、属国か。そっちのほうが良いかも。うん。そっちにするよ。」


「でも、貧しい国もあるため、最後に王に、属国になるか、完全に取り込まれるかを選択させたほうが良いですよ。」


「それもそうだね。そうするよ。」


「それでは、進行を開始しますか?」


「はい!」


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