第235話好条件


そのまま、貿易の話をして行こうと思ったアインは、パワードと一緒に貿易の内容まで話し合っていくことにした。


「それじゃあ、パワード君。本格的に貿易の話を始めようか。」


「はい!」


「今回は元々、僕がゼザール国にとっての貿易国を一個、取り込んでしまったことから始まったんだけど、これに関してはどう思っている?」


「全てはアイン様の意心のままにと思っています。」


「う~ん。できれば私情を挟まないでやって欲しいんだけど…」


「そうですか…それでは、言いますが、今回の件は私の国にとっても悪い話ではありません。

なぜなら、元々アイン様の国のバルバロット帝国は、この大陸の中でも最強と詠われていて、資源、戦力、技術力の面で見ても、最新で、最強だと思っています。」


「本当にそう思ってくれているんだ。」


「はい。そして、当然ですが最新技術を持っている国と貿易をやって行ったほうが、国内にも良い技術が入ってくると思っています。」


「まぁ、その方面も貿易をするつもりだけどね。」


「今話したことを考慮して、この貿易はこの国にとっては良い貿易になると思います。」


「そうか。それじゃあ、貿易していこう。」


「ただ、こちらからも質問して良いですか?」


「何?」


「今回の貿易ではアイン様の国である、バルバロット帝国にあまり利益が無いと思うのですが…」


「それに関しては大丈夫だよ。僕の国では、元々利益よりも先に、関係を深めるために貿易をやっているんだ。」


「そうだったのですか?」


「うん。幸い、僕の国の資源はいっぱいあるし、それを少しでも貿易に使っていこうと思ってね。」


「分かりました。それでは具体的にどの分野を貿易していきますか?」


「う~ん。技術面はもちろん、やっていくつもりだよ。」


「はい。ありがとうございます。」


「それ以外には、僕の国に居る商人を何人かこの国に送り込むよ。」


「大丈夫なんですか?商人と言うのは移動を嫌うはずですが…」


「大丈夫だよ。僕の兵が趣味でやっているだけだし、ある意味、こういう命令を待っているらしいから。」


「そうなんですか…それだったら良いのですけど。」


「まぁ、そういうことだから、僕のほうからは商人を送っておくね。」


「はい。ゼザール王国からは、農作物を渡しますね。」


「よろしく。後、僕のことを調べているなら知っているかもしれないけど、僕は冒険者ギルドで、クランを作っているんだ。」


「はい。そのことは存じています。」


「それで、この国にも来ていると思うんだけど。」


「はい。来ていますね。だんだん勢力も伸びていっているそうです。」


「それで、お願いがあるんだけど、この国に、クランの支部をおいても良いかな?」


「良いですよ。あ!なんだったら、この王都の中に巨大な建物を立てていってください。」


「何で?」


「この国の正式で、一番の貿易国として、何か証拠みたいなのが欲しいんですよ。せっかくあのアイン様の国と貿易できるのですから。」


「本当に良いの?こちらからすれば、良い話しかないんだけど。」


「はい。それでは、後で、土地の候補を渡しておきますね。」


「ありがとう。それじゃあ、もう帰るね。」


「はい。今日はありがとうございました。」


そして、アインは自分の国に帰っていった。


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