第231話団長ォ~

それで、ついに戦いは始まった。


「みんな。さっきのを聞いて強そうに思えるも知れないが、結局は1人だ。数で押し切るぞ。」


そして、冒険者たちは集団で団長に襲い掛かって行った。


「甘い!」


団長がそういうと、団長の姿が一瞬だけ、無くなって、その後すぐにその場に姿を現した。


「な、なんだったんだ?今のは?」


「わからねぇ。」


しかし、その数秒後、団長に襲い掛かっていた冒険者たちが、次々に倒れ始めていった。


「な、何が起きたんだ!?」


「わからねぇ、ただ、今の一瞬で、10人同時にやられたことだけはわかる。」


冒険者がこんな会話をしていると…


「どうした?もう来ないのか?私も一国の兵の団長と言うことで忙しいんだ、来なければこっちから生かせてもらうぞ。」


現在、残っている冒険者の数は40人、なので、まだまだ団長との数の差はあった。


「40人か…3体かな?」


団長はそういうと、全身に力をこめ始めた。


「何をやっているんだ?」


「分かる訳ねぇだろ。でも、何かやばいのが来るかもしれないぞ。」


そして、それは次の瞬間起こった。


団長の体から、団長の形をした、何かが3体出てきた。


「何だ?あれは?」


「これは、分身。この技はただ単に魔力で自分と同じ形の形どっているだけだがな。」


「なんだ。そうだったのか?」


「それじゃあ、こっちから行かせてもらうぞ。」


そして、4人に分かれた団長は冒険者の元へ向かっていき、初撃で綺麗に10人ずつに分けることができた。


「よし、これで少なくとも110対1になったな。」


「そんな事言ったって、結局3体は魔力じゃないか。」


「ああ、そうだな。でも、貴様らはまず、自分の心配をしたほうが良いな。」


そして、次は団長が剣を構えて、抜いたかと思ったが、全然剣の長さが足りていなくて、冒険者に届いていなかった。


「おい。剣が短いんじゃないのか?全然届いていないぞww」


「おっさん。とうとう距離感を失ったか?」


そんなことを冒険者が言ってきていたが、団長が剣を鞘に仕舞った瞬間に、冒険者たちのお腹に裂け目ができた。


「は?何だよこれ!?」


「何でだ!?あいつの剣は届いていなかっただろう!」


そして、団長は一言はなった。


「これが力だ。派手さはいらない。本当の力。分身が作れる時点で、何故、剣の長さを魔力で伸ばせると思わなかったのか…透明化していただけなのに。」


確かに、分身が使える人は、よく、武器の長さを相手に違うように見せることができた。しかし、この街の冒険者はダンジョンの中のモンスターとばっかり戦っていたので、対人戦の基本がなっていなかったのだ。


「まぁ良い。とりあえずは他のところに行かなくては。」


分身では本体よりも結構弱いので、攻め切れていなかった。


(まぁ、分身をこの時間で倒せていないのも問題だがな。)


そっからは、団長が参戦した場所は壊滅し、参戦しては壊滅しを繰り返していった。


そして…


「アイン様。全ての冒険者を倒し終わりました。」


「うん。よくやった。」


ついに団長は全ての冒険者を倒した。


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