第217話魔族と人間の溝


そして、数日後。アインはエリから、宴の用意ができたことを聞いていた。


「もう準備できたの?」


「はい。意外と早く、この宴に参加するか、しないかを教えてくださったので、早く準備で取り掛かることができました。」


「そうなんだ。それじゃあ、よかったね。今日明日は休日だし。」


「はい。ですので、アイン様には今日やるか、明日やるかを決めて欲しいのです。」


「今日やるかって言っているけど、そんなに簡単に集合できるの?」


「はい。それこそ、この国と仲良くしたい各国は、この宴も一種の大事な政治活動だと捉えているそうで、ちょっとした用事よりは優先して参加してくれるそうですから。」


「そうなんだ。それでも、今日呼ぶのは申し訳ないから、明日にするよ。」


「分かりました。それでは、そのことを各国の王に伝えてきますね。」


そして、エリは出て行った。


「あ、魔王さんのところに行こう。」


そして、アインも魔王の下へと転移していった。


そして、魔王がいる部屋


「魔王さん。」


「何でしょうか。アイン様。」


「いや、今回向こうの大陸で、いろんな国の人を呼んで、宴をやるんだけど、魔王さんには2つやって欲しいことがあってね。」


「何でしょうか?」


「まずは、宴の準備を手伝って欲しいんだ。」


「分かりました。それで、もう1つは何でしょうか?」


「それは、今回は魔国の王として宴に参加して欲しいんだ。あと、人間のことが嫌いじゃない魔族を数人連れて。」


「何故でしょうか?魔国がアイン様の国に取り込まれたと言ったほうが、アイン様の力が強大であることを証明できると思うのですが…」


「今回は別に僕の国の力を他国に知らしめるための宴じゃないしね。それに、これは結構重要なことなの。」


「何故でしょうか?」


「基本的には魔族って言うのは人間の敵で、世界の敵だって事が伝わっているのは知っている?」


「はい。数世代前の魔王がそういうことが好きで、よく人間の町を攻めていましたから。」


「それで、王たちも魔族は敵だと思っているし、それに魔族は基本的に強いから、恐怖の対象ってことになっているの。」


「分かります。」


「それで今回魔王さんにお願いしたいのは、今回参加する王たちだけで良いから仲良くなって欲しいんだ。」


「仲良く…ですか?」


「うん。魔族と手を組んでいるのは、この先ばれるだろし、それだったら先に言ってしまって、魔族と言う強いカードを持っていることも知ってほしいんだ。それが自信につながるだろうし。」


「分かりました。それでは私は宴のときにできるだけ人間の王と話しておきますね。」


「うん。よろしく。」


「それでは、アイン様。宴の準備をしましょう。」


「分かったよ。」


そして、2人は宴の準備をはじめ、エリが来てからは3人で準備を進めていった。


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