第210話問題児

その後、数十分を使ってアインとジョセフは魔物を倒した。


「おつかれー。」


「お疲れ様です。」


「いやー。結構多かったね。」


「確かにそうですね。何かあったのでしょうか?」


「分からないけど、この問題にはまだ手をつけなくて良いんじゃない?」


「確かにそうですね。今回の襲撃も街まで来ても何とかなりましたから。」


「これがもっと悪化していくようだったら、いい加減原因を突き止めるよ。」


「分かりました。」


「それじゃあ、一回帰ろうか。」


そして、3人は山を下って、街まで着いた。


「あ、あいつら帰ってきたぞ。」


「おい、大丈夫だったのか?」


クラスメイトたちはあの足音から、結構な数の魔物が来ていたことは想定できたらしく、アインたちを心配していた。


「大丈夫だよ。僕とキャロラインはAランクだし、それにジョセフさんがすごく強かったから。」


「ああ、そうか。お前ら2人はAランク冒険者だったな。」


「うん。だからあの山の中にいた魔物なら、全部倒してきたよ。」


「良かった。ジョセフさん。クラスメイトを救ってくれてありがとうございます。」


「ああ、気にするな。護衛というのはこういう仕事だ。もしも護衛対象に何かが襲いかかろうとしたら、自らのみを呈して守らなくてはいけない。こういう依頼もあるから覚えて置くように。」


「「「はい。」」」


そして、その後は他のグループもだんだんと街まで帰ってきた。


「あれ?お前ら早くないか?」


と先生が聞いてきたので、


「Aランクモンスターが大量に発生していたので、非難をしました。」


「何!?Aランクモンスターが大量に発生しただと?それは緊急事態じゃないか。」


「あ、安心してください。ジョセフさんと僕とキャロラインで倒しておきましたから。

とはいっても、ほとんどジョセフさんが倒してくれたんですけどね。」


アインは自分の本当の実力を知られないようにするために、若干の嘘をついた。


「そうだったのか。ジョセフさん。生徒を守っていただきありがとうございました。」


「大丈夫だ。これは依頼だしな。それよりも、依頼はいつ完了するんだ?」


「それは全ての班が帰ってきたときですね。」


「分かった。」


しかし、集合時間を過ぎてもなかなか後ひとつの班が帰ってこなかった。


「遅いですね。」


「ああ、どの班だ?」


「後来ていないのは、シャドウさんが率いている、グループですね。」


「後、10分待ってこなかったら、行こう。」


そして、10分経つ、ぎりぎりのところで最後のグループが帰ってきた。


「皆!何でそんなにぼろぼろに?」


「ああ、うちはAランクモンスターが同時に4体来たんだが、俺が集団戦があまり得意じゃなくて、時間をかけていたら、あのナイツ君が「俺に任せてください。『大回転衝撃斬』」といって、技を発動したんだが、その技が周囲に斬撃を飛ばすって物で、皆とっさに避けたんだが、少し食らってしまったものが出てしまって、それで、さらに時間がかかって、こんなに遅くなりました。」


「そうだったんですか…分かりました。」


ナイツが使った大回転衝撃斬は確かに強いが、完璧に使用者の力に依存していて、その上で周囲に攻撃が行くので、1人冒険者用だったのだ。


「とりあえず、怪我をしている子もいるし、いったん我々は帰ります。お2人は後に報酬金を渡しますので、今日のところは帰っていただいてかまいません。」


「分かった。」


「了解」


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