第198話恐ろしき慣れ


そして、アインは3人を迎えに部屋まで行った。


「皆、いる?」


「いるわよ。」


「中に入っても良い?」


「ええ。」


そしてアインは部屋の中に入った。


「僕たちの話が終わったから呼びに来たんだけど…」


「ああ、そうだったのね。それじゃあ、すぐに戻るから先に行っていて。」


「分かったよ。」


そして、アインはまた、食堂に戻ってきた。


「あれ?娘たちは?」


「もうすぐ来るそうです。」


そして、数分後。3人はやってきた。


「それではここからはこの街の観光に移ってもらいます。」


「おお、待っていたぞ。」


「しかし、今回の観光に関しては僕は皆さんの近くにはいません。」


「どういうことだ?」


「今回は、皆さんの意思で、個人行動をするか、集団行動をするかを選んでください。

しかし、護衛用の一般人に扮した騎士を付けますので、襲われたり、道に迷うことは無いでしょう。」


そう言うと王が。


「それでは、私は個人行動をしよう。個人行動なんか滅多にさせてもらえないからな。」


「他の皆さんは?」


結果、大人たちは個人行動、リリス、セシリア、シルクは集団で一緒に買い物をすることになった。


「今回は、急に呼んでしまったため、あまりお金を持っていないと思います。なので、私のほうからお金はあらかじめ渡しておきますね。」


「いや、結構持ってきているから、渡さなくても良いぞ。」


「いえ、これは今までの礼の一部だと思って受け取ってください。」


「まぁ、受け取ってもらいたいなら受け取っておこう。」


「それでは、門まで送ります。何か困ったことがあったり、この街を見て、気になったことがあったら、すぐに近くの騎士に聞いてください。」


そして、アインは門まで6人を送った。


「ふ~。みんな行ったか。」


「はい。行きましたね。」


「あ、部屋までの案内はありがとうね。」


「いえ、これくらいの仕事だったら、なにも国はなりません。」


「本当?」


「ええ。」


「まぁ、本人が苦にならないなら良いか。それよりもお願いがあるんだけど。」


「何でしょうか?」


「この国のお金って結構余っている?」


「はい。しかし、お金はいくらあっても良いと思うので、取ってありますよ。」


「うん。それでお願いって言うのは。今回王たちとな話をしていて、久しぶりに親孝行をしようかなと思ったんだ。」


「親孝行ですか?良いですね。しかし何をするのですか?」


「僕には何でも用意はできるけど、人の心までは分からないから、さっきエリが言ったとおりお金ならいくらあっても困らないと思うから、お金を上げることにしたんだ。」


「そうだったのですか。それでいくらくらい渡すのですか?」


「それを今悩んでいるんだよね~。」


「とりあえず、向こうの国の国家予算くらい渡しておけば喜ばれるんじゃないでしょうか?」


「そうだね。それに国家予算だったら、足りないことも無いでしょ。」


「少し増やしておきます?」


「う~ん。たぶん足りるでしょ。」


こうして、2人はアインの親孝行のための相談をしていた。






すでに、金銭感覚の狂った2人である。


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