第172話街の反応と次のこと


~街中~


「勇者が死んだらしいぞ。」


「そんなバカな。彼らには死んでほしいと思っていたけど、そう簡単に死なないだろ。」


「でも、ダンジョンに潜ってから一回も帰ってきていなくて、その上でダンジョン内で死んだって言ううわさが立っているんだぜ?本当に死んでいるんじゃないのか?」


「そうかな?」


「もしそうだったら、どうするんだよ。」


「それは…特に考えてなかったや。」


「でも、勇者には王宮の兵士たちも迷惑をかけられていたらしいぜ。」


「本当か?だったら、これを気に王を倒すか?」


「でも、そんな事やってもなにも変わらなくないか?」


「だったらどうするんだよ。」


「今の王様のままだけど、王様の力を弱まらせることってできないのかな?」


「できるんじゃないか?」


「どうやってやるんだよ。」


「例えば、王宮の兵士や、普通の兵士が勇者によって困っていたんなら、こっちの味方になってもらうことでってできないのかな?」


「分からない。それに、普通に街の中を巡回している兵ならともかく、王宮にいる兵にどうやって会うんだよ。」


「それは、街を巡回している兵の中に、王宮の兵とつながっている人を探すしかないでしょ。」


「それじゃあ、ためしにそれをやってみるか?」


「そうだね。もしも失敗しちゃったとしても、勇者がいなくなっただけで結構うれしいことだし。」


そして王国の市民たちは兵に交渉をしていき、街の兵や、王宮の中でも特に勇者に困っていた兵を味方につけることに成功した。


「何とか成功したな。」


「ああ…でもこれからどうするんだ?」


「それは、もしも王様がまた変な命令を出してきたときに反抗すれば良いんじゃない?他の街の兵も市民側にできたら、こっちのほうが兵力が強いんだし。」


「そっか、それじゃあ、王様がよっぽどおかしなことをするまでは現状維持って言うことだね。」


「そういうことだな。」


「それじゃあ、解散しようか。それに皆各自の家で勇者の死を祝おうじゃないか。」


「確かにな、あいつら勇者って言う名の悪魔だったからな。」


「それじゃあ、解散。」


そして市民たちは解散をしたが、数人の市民は他の街の兵も説得をしていった。


~アイン~


「アイン様、これからどうしますか?今日噂を流したところで広まるには時間がかかると思うのですが…」


「うん。だから次のことをやろう。しばらくしてここに戻ってきたら良い感じになっているんじゃない?」


「そうですね。それでは次は何をしましょうか?」


「う~ん?こっちの世界の夏休みが長いからって、そろそろ終わるだろうしな。」


「アイン様は宿題は終わっているのですか?」


「うん。正直に言って、神である僕からすれば問題を見ただけで答えが頭の中に出てくるからね。」


「そうなんですか…それでは夏休みを最後まで有効活用できるのですね。」


「うん。だからこそ、小さなことじゃなくて、大きなことをやりたいんだけど、何かある?」


「そうですね~。アイン様の持っているものといえば国、ダンジョン、商会、クランですかね?」


「まぁ、使えるのはこのくらいじゃないかな?」


「アイン様は他にほしいものとか無いのですか?」


「う~ん。特に無いかな?そもそもほしいものって大体手に入っちゃうし。」


「それでは商会かクランについて何かやってみるのはどうですか?最近は国のことやダンジョンのことを中心にやってきましたし。」


「そうだね。それじゃあ、先にクランについて、やってみようかな?」


「そういえば、アイン様は前にクランについて少し口出しをしていましたが何をしていたのですか?」


「ああ、それは、クランの加入条件をちょっとだけ簡単にしたんだよ。」


「と言うと?」


「よく考えたら前の加入条件って結構高かったなと思って、別に僕のクランって軍隊を作ろうとしている訳じゃないんだからもっと簡単で良いかなって。」


「そうだったのですか。それではクランの総本山に向かいますか?」


「そうだね。やることもないし行こうか。」


そしてアインとエリはクランの総本山に向かった。


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