第166話ボス戦


勇者が4階層に向かおうとして、会談まで来ると、そこには大きな扉があった。


「何だこれは?」


「もしかしてボス部屋か?」


「なんか早くないか?まだ3層目だぞ。」


「それは、このダンジョンが小さいんじゃないの?」


「ああ、それはあるかも。」


「それじゃあ、ボスを倒して、次に進もうか。」


そして勇者たちは扉を開けて、中に入っていった。


するとそこには大きいけど、影で全体が見えなくなっている何かがいた。


「何だこの大きなモンスターは?」


「でも動かないぞ。」


「確かにどうすれば良いんだろう。」


そして、すべての勇者がボス部屋に入った瞬間に、いきなりボス部屋の入り口が勝手に閉まり、とうとうその大きなモンスターが動き始めた。


「皆、この大きなモンスターが動き始めたぞ。気をつけろ。」


そしてモンスターがいきなりしゃべり始めた。


『我は最高にして最強の種族である竜の王、すでになくなった身だがアンデット化して力もだんだんと戻ってきている。我は竜の王として勇者に力を貸すもの。』


「本当ですか?いや~良かったです。やっぱり竜王さんは勇者の味方だったんですね。」


『我が力を貸すのは真に選ばれし勇者、召喚によってこの世界にやってきて、好き放題して市民を困らせている偽者の勇者であるお前らに貸す力なぞ無い。本当の勇者を待っていた我の前に現れてくれたのは本当に良かった、今ここで偽者の勇者を倒せるのだからな。』


「はぁ?俺たちが偽者の勇者だと?そんな訳ないだろ。だって俺らは実際にこの聖剣や他にも神聖属性のまとっているものが持てているんだから。」


『そんな天使ごときが作った剣が本当に勇者の剣だと思っていたのか?その聖剣などはもてても勇者候補、真の勇者は使っていくごとに剣が強くなっていく。それに比べてお前らはだんだん剣の力が弱くなってきている、もはや勇者候補でもないたまたま剣を持てた人たちだ。』


「ずいぶんバカにしてくれますね。しかし今はあなたのほうがまずいのですよ。だって人数ではこっちが圧倒的に勝っているし、あんたはアンデット、そして俺たちの武器は神聖属性。相性は最悪のはずだ。」


『本気でそう思っているのなら哀れ。かかってきなさい。』


「皆、一斉に行くぞ。相手は竜王といってもすでに死んでいる身だ。」


そして勇者たちは攻め込んでいくが、竜王はその大きな巨体に似合わず、すばやい動きで勇者たちの攻撃が届く前に反撃をしていった。


「何であんなに早く動けるんだ?」


「おかしい、俺たちは世界最強なんだ。」


『まぁ、この結果になるとは思っていたが意外と早かったな。なぜか全盛期よりも力もスピードも出たし、さすがにあの神のダンジョンマスターはすでに我の体に何かしてあったか。』


「神だと?」


『おや?お仲間から聞いていなかったのか?お前らの後ろの方にいる奴を倒したのがダンジョンマスターの側近である天使だ。そこからダンジョンマスターが神だとは考え付かなかったのか?』


「どういうことだ?俺たちはそんな事聞いていないぞ。」


「んんんんんん~んん。」


「そうか、お前たちしゃべれなかったのか。」


『まぁ、そろそろ我も飽きてきたし、本気で行こうかな。』


竜王がそういうと、竜王の喉が赤く光った。


「皆、何かが来るぞよけろ。」


『インフェルノブレス』


竜王がそういいながら炎の息を吐くと、逃げ遅れた勇者を巻き込みながらどんどんといろんなものを溶かしていった。


『よし、ノルマである勇者の半数は行ったし、そろそろ休もうかの。』


そして竜王は勇者の半数を削った後、相手にする価値も無いと残りの勇者を次の階層に行かせようとしていた。


『さっさと行け、もう一回くらいたく無かったらな。』


そういうと勇者たちはすぐに次の階層に向かって行った。


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