第91話とある少年の物語6


「ちなみにあなたはなんていうのですか?」


「俺か?名前は聞くな。おそらくだがこれからかかわりはほとんどなくなるからな。」


「かかわりがなくなるのですか?一緒のクランなのに?」


「まぁ、ほとんどかかわりはなくなるだろう。俺の読み名に困ったら先輩でいい。」


「分かりました。先輩。それでクラン名はなんていうんですか?」


「創焉覇神兵って言う。」


「創焉覇神兵ですか?聞いたことないですね。受付嬢も紹介してくれなかったし。」


「ああ、一応クランができたのは最近だからな。」


「そうなんですか。それでは登録してきます。」


「いや、俺も行こう。」


そういって、僕は先輩と一緒にクラン登録に行った。


「ノエル君。クランのことは残念だったね。」


「はい…でもこの人のクランに入って、もっと強くなって今度こそルート君に敵うくらい強くなります。」


「そう…がんばって。それでクランの名前はなんていうの?」


「創焉覇神兵です。」


「え……本当に言ってるの?そこに入るためには条件が…」


「俺が入れることを決めた。」


「あなたは初期メンバーの…それなら条件は良いですね。ノエル君を創焉覇神兵に入れておきます。」


「はい。」


「それじゃあ行くぞ。」


そしてノエル達は冒険者ギルドから出て行き、クランハウスに向かった。


「ノエル。お前に入っておかないといけないことがある。」


「何ですか?」


「俺の入っているクランは特殊でな。いろいろなことを言わなければいけないんだが、そこはクランに入ればいろんな人が教えてくれるだろう。それよりも今から紹介するクランに2日後来るんだ。」


「2日後ですか?」


「ああ、そこでこのクランについての説明会をする。それに来るんだ。」


「分かりました。」


「もうすぐで着くぞ。」


先輩がそういって1分くらい歩くとクランハウスが見えてきた。


「まさか、あれがクランハウスですか?」


「そうだな。」


「大きすぎじゃありませんか!?」


「そうかな?俺の出身の街ではこのくらいの建物は数個あったけどな。」


「どんな街から出ているんですか!?」


そこには貴族の領主が暮らすような大きなクランハウスがあった。


「ここの一回で説明会を行うから2日後には来るんだぞ。」


「はい。」


「それじゃあもう帰って良いぞ。」


「今日はありがとうございました。」


そういってノエルは宿に帰ろうとした。


しかしその途中で…


「ノエル、またあったな。」


「…ルート君。」


「今日は冒険者ギルドにいたな。どこかのクランに入れたのか?」


「うん…」


「その様子を見るとあまり有名なクランには入れなかったようだな。」


「それは僕も分からないんだ。僕はそのクランのことを知らないから。」


「自分の入るクランのことも分からないなんて、やっぱりその程度のクランなんだな。」


「それはまだ分からないじゃないか。」


「そうだな。しかし、お前のクランがいくら強かろうと俺らが倒す。待っているんだな。すぐにお前がどのクランに入ったか見つけてやる。」


「そんな…」


「せいぜいそれまで楽しんでいるんだな。」


そういってルートは帰って行った。


「どうしよう…とりあえずは2日後にクランハウスに行かなきゃ。」


そういって、ノエルは宿に帰って行った。


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