第51話学園祭準備
あれから半年たったが今まで特に何もなかった。
「アイン君。もうすぐ学園祭だけど楽しみだね。」
「学園祭?どんなことやるの?」
「ああ、アイン君は今年からだから分からないのか。」
「うん。」
「まぁ、普通に学校でいろいろなことをやるだけだよ。」
「そうなんだ。」
「先生が説明してくれると思うよ。」
「分かった。」
そしてHRの時間になり、先生がやってきた。
「今日は学園祭について言います。もう聞き飽きているかもしれないけど、今年は新入生がいますから、振り返りだと思って聞いていてください。」
「学園祭は3日に分けて行います。
1日目はクラスで出し物をします。
2日目はクラス対抗の運動会をやります。
3日目は個人同士の学校内トーナメントを行います。」
「学校内トーナメント?」
「はい。学校内トーナメントでは、クラスごとにトーナメントを行い、トーナメントで1位になった人はSクラスの人は学校から報酬が出て、他のクラスで1位になれた人は一個上のクラスの最下位の人に挑んで、勝ったら一個上のクラスにいけます。」
「負けた人には何かないのですか?」
「一個下のクラスの1位に負けた人は1クラス降格です。」
「そうなんですか。」
「ハッ。つまりお前みたいなテストで上がってきた奴はここで落ちるんだよ。」
「そうだ。このSクラスは学力と武力がいるんだ。ここでお前は落ちる。」
「そうだな。今回のAランクの1位は楽だな。」
基本的には貴族でない僕にはこのクラスは批判的なようだ。
「みんななんでアインのこと弱いと思ってるの?」
「そうだよ。アイン君のどこが悪いの?」
「王女様、公嬢様。申し訳ございませんがこのものは学力だけで上がってきたやつです。とてもじゃありませんが、実力に期待できません。」
「そんなの分からないじゃない。」
「そんなことより王女様、公嬢様。我々は今回の試合がんばりますので見ていてください。」
「そうです。あなた方はあいつなんか見てなくていいのです。貴族でもない屑のことなんか聞いていたら耳が腐ります。」
「みんなそんなことはやめてクラスの出し物について考えよ。」
(先生も結構無理やり話を変えたな。)
「それなら決まってます。」
「そうなの?」
「はい。今回は劇についてやりたいと思います。」
「どんなのをやるの?」
「ヒロインをめぐって男たちが戦う劇です。もちろんヒロインはリリス様です。」
「分かったわ。それで行きましょう。それでみんな何役やるの?」
「アイン以外は全員主人公です。なぜならこれは貴族の物語ですから主人公同士が王女様をめぐって戦うのです。」
「アイン君は?」
「その辺の使用人でもやらせましょう。貴族の使用人なんてやったことないでしょうがさすがにできるでしょう。」
「なんか納得はいかないけど、それでいいわ。今日のHRはこれで終了ね。」
こうして僕は使用人の役になった。
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