第9話 ようやく異世界へ
おやすみって言ったのにアオイは寝かしてくれなかった。
「まったく、心配していたのにいきなり『おやすみ、葵』は酷いですよ…」
「それは悪かったな」
階段から落ちただけで心配してくれるのか、優しい子だな。
「それじゃ朝ごはんを食べようか。」
「そうですね…」
そう言って台所に向かった僕らの足元に魔法陣のような物が現れて──僕らは転移した。
「仲間を見つけられたようですね。あれ? どうしたんですか? まるで怒っているような顔ですけど」
「折角朝ごはん食べれると思ったのに何してくれてんだよ。殺してやろうかこの野郎」
「え、ええ!?」
「れ、蓮くん落ち着いてください…」
その後葵に宥められるまで暴れ続けた。今回は女神が悪い。僕から朝ごはんを奪ったのだから。
「うう、怖かったです。
さて、前回もこうなった気がしますが。
気を取り直して、クレナイさん無事に仲間を見つけることが出来たみたいですね」
前回っていつだっけ。…ああ朝のことか、あれって夢オチじゃなかったのか。それでその女神様が何の用だろう?
「仲間へのスキル付与と言語の説明、それにあなたのステータスアップですね」
「相変わらずサラッと心読みますね」
「れ、蓮くん親しげに話してるけどこの人誰?」
「この人はサーリアさんでここで女神やってて、かくかくしかじか」
「蓮くん、かくかくしかじかはマンガや小説の中でしか通じないよ」
いや、これは小説何だけどな。(メタイ!!)
「まあ、それで異世界転移することになって…」
という訳で説明が終わり、葵と女神様がどっかに行っちゃったところでついさっき渡されたスキルの確認をするか。
1個目 状態異常耐性 これのおかげで病気にも毒にもかからない最高のスキル。
2個目 超回復 魔力や体力、クールタイムがすごく早くたまる。女神様が言うにはどう頑張っても減らせないくらいには早いらしい。
3個目 天剣術 剣の腕がものすごく上がる。棒切れ1本で大木をきりたおせるらしい。
4個目 刀 名前は変だがすごく切れ味がいい剣。剣だがスキルの1種なのでどこからでも出せるそしてなんでも切れる。すごい万能。
5個目 鑑定 知らない物でも鑑定によって名前がわかる、人に使うと名前と役職とスキルがわかる。
6個目 女神様の電話番号 これで女神様と話せる。多分使わない。
7個目 収納 ドラ○もんのポケット これで手ぶらで旅ができる。食材も腐らないみたいだから、冷蔵庫の代わりにもなる。すごく万能。
8個目 鍛冶 様々な強い武器を作れる、 刀という万能武器を手に入れたから多分使わない。包丁とか作ろうかな。
9個目 料理 料理が上手くなる。 知っての通り僕は食べ物にうるさい、つまり必須スキル。異世界で料理無双をするつもりはない。
10個目 製薬 薬が作れるようになる。 女神様によると蘇生薬も作れるらしい、これで不衛生な異世界でも大丈夫。
11個目 限界突破 これで頑張れば頑張るほど強くなれる。 これがあればカンストの先に行ける。
12個目 勇者 これさえあれば猿でも勇者になれる。 でも猿で勇者スキル持ちはいないらしい。
さて分析は終わったんだが途中まで聞こえてた葵の悲鳴が聞こえなくなったのがすごく不安だ。
「おーい。大丈夫か?」
「蓮くん、この女神、鬼でした…」
そっか、葵もアレ(スパルタ)を体験したのか、大変だったな。あれ?それにしては早いような僕の時の3分の1くらいしか経ってないぞ。まあいいか後で聞こう。
「それではスキル付与も終わりましたし、異世界転移に移らしてもらいますね」
よしついに異世界転移だ。少し不安があるが、何とかなるだろう。
「では、2人共この魔法陣の中に入ってください」
そう言って女神様(右手にレイ○姫を付けている)は青色の魔法陣を出して手招きした。僕と葵すぐに青く光る魔法陣の中に入った。あれ?青色って確か収納の時に出てたような、てことはこの魔法陣も収納で今から行く異世界は収納の中にあるって事?
「それでは異世界に送りますね」
「ちょっと待って。この魔法陣って収納の魔法陣だよね」
「そうですよ」
「てことは今から行く異世界って」
「私の収納の中にありますよ。では、(これ以上話を長引かせると面倒な事になりそうなので)異世界に送りますね、クレナイ レンさん、あなたが魔王を倒すことを祈ってます」
「ちょっと待っ…」
ピカッ ヒュー
クソっあの女神問答無用で送りやがった。しかも高い、雲の上に送られてるし、なんだよ神様は空から落とすのが好きなのかよ。
「やべぇ死ぬぅぅぅぅぅ」
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