第84話 戦力外通告、そして新しい仲間





 万能だった青さ粉、突然の戦力外通告。



「なんでよー、ちいちゃん好きらろ?ほらあ」


「んんー、だあ!」



 今に始まったことではないけれど、もりもり食欲のちいちゃんが1番苦手なのはお米である。


 始まりは昨年初冬、軟飯になるかどうかのころ、べちゃべちゃなのはいや!とばかりに普通のごはんしか食べなくなった。


 そして今ではその普通のごはんすら嫌という始末……。




「でもちいちゃんて、混ぜご飯もあんまりみたいなんだよなぁ」


 たんぱく質や野菜をまぜ、少し味付けをしたものも、ベビーふりかけも、いろいろ試してよく食べたのが青さ粉。


 はじめは一応白米で様子を見て、食べなそうならかける…というスタイルで1歳まで来たが、それもだめになってしまった。



 ……甲子園時代から応援してたピッチャーが23歳にして肩を故障し電撃引退、同時に美人モデルと結婚したような衝撃…。



 そんなわたしが巡りあったのが…



「韓国のり~!」



 味付けのりは1歳以降、量に気を付ければ与えても良い、というものを見て、ならば韓国のりでも良いのでは…?と思い立った。



 ベビー茶碗1杯に対して、8枚入れの食べきりパックの1枚~2枚をちぎってごはんにかけると~……


「…んっ、んー!」



 ちゃんと食べるー!



 残りはわたしが美味しくいただくか、ジッパー袋で冷蔵庫保存。


 近所のスーパーで時々安売りになるので、そのときは買いだめ必須となった。



 ピッチャー代わりまして、韓国のりくん、韓国のりくん。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る