強引な彼とキス嫌な私。
桃園みかん
強引な彼とキス嫌な私。
暖かい春の日。ぽかぽかと窓の外は明るくウトウトと眠っていた。
突如として生暖かい湿ったものが私の唇をなでる。
(あぁ、今日もこの時間がきてしまった)
仕方なく目蓋を開けると彼が物欲しげな顔で見つめている。
彼はいつも急だ。彼の事は好きだけど、彼の執拗に攻めてくるところはうんざりしている。
そして彼は私に乗りかかり行為を始める……。
(悪気はないんだよなぁ・・・でもちょっと・・・)
彼は喉を鳴らし私を舐めはじめた。
(これ好きなんだよなぁ・・・私はいやなんだけど)
余りの勢いに正面を向いていられず横を向いてしまう。
すると、彼の手が私の顔を触れこっち向けと誘導してくる。
仕方なく正面を向くとまた行為がされる。
鼻から目頭に上り、そしてまた降りて鼻の穴まで湿らされる。
(息が・・・)
さすがに息が苦しくて手で顔を覆ってしまうと手を退けろとばかりに不満げな顔をする。
私は酸欠になりそうな呼吸を整えると、仕方なく覆っていた手を彼の首へと回した。
(もう……降参だよ……。)
調子をよくした彼は今まで以上に興奮した様子で鼻息を荒くし、時々歯をたてたりして、私のはその度に小さく声を漏らす。
そう。いつだって逆らえない。
赤く染まり腫れ上がるころ。
彼は満足そうに目を細め、こう言った。
「ニャッ。」
……そう、うちの猫の話。
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