第84話 綺麗

「次はコウテイを見るか……」

「りょーかい!」

少しイワビーの元気がない。全然決まらなくて悩んでるのだろうか?

フルルは……そんなイワビーに気付かずいつも通りなところがフルルらしい。

「確かコウテイは楽屋にいたな……行くぞ!」

「うん!」

今は僕とフルルの部屋前……楽屋は近いな。


「どんどん行くぜ!時間がないからな!」

「どんどんといえば……ドン勝ってなんだろ?トンカツ?」

「どうでもいいな……」

いや……そんなことより……

(本番今日じゃん!)

「嘘~!イワビー何でフルル達を寝かしたの~……」

「すまん……フルルとグレープには仲良くなってもらいたかったんだ……」

いや今はおしゃれ考えないと本番が!後でゆっくりイチャイチャするから!

「コウテイの所!ほら!」

「うん……」


「……こんなもんか?」

そこにはかがみを見ながら黄色いネックレスをつけてるコウテイがいた。

「よおコウテイ!それはネックレスか?」

「ああ、そうだ。そうだが……変じゃないか?」

「え?」

「いや……私はクールってよく言われるが……輝きたいって思いで輝いてる綺麗なネックレスにした。ちょっと似合わないんじゃないかって心配で……」

「コウテイ……」

イワビーが少し困った顔になる。イワビーのことだからストレートに言うんじゃ……

「ジェーンに訊けば?」

「……え?ジェーン?///」

「あいつ、1番お前のこと分かってると思うぜ?だから加減も分かりそうじゃん?まあお前マゾだから!どうしてもと言うなら俺に診断させてくれっ!」

「……ジェーンに訊くよ///」

コウテイは顔を赤くして楽屋から出ていった。太陽でネックレスがキラキラ輝くのが見えた。

「……あいつのネックレス、俺は似合うと思うぜ?ジェーンに見せたら絶対オチるだろw」

イワビーがいたずらっ子のように笑う。それが目的か!でもその笑顔をプリンセスに見せたら絶対オチるだろ。


「……キラキラしてて綺麗ならいい、のか?」

僕達も楽屋から出て歩いている。

「でもあいつのネックレスもジェーンの髪飾りも遠くのお客さんからは見えない気が……」

「ライブの後に握手会とサイン会あるしいいじゃん?だったらフルルの最終手段も……」

フルルの最終手段は遠くからだと分かりにくいのか……メガネは遠くからでも分かるか。髪飾りやネックレスは被るから違うとしたら一体……イヤリング?ピアス?

「……俺、決まったかも!」

「何~?」

「ロックな赤いイヤリング!赤を強調したいから丸くて大きいヤツがいいな。もちろん赤色は綺麗なヤツ!俺、探しに行くぜ!じゃあな!」ダーーーッ

「あ……」

フルルは……やっぱり最終手段にするのか……?

「……よし、最終手段を取りに行くよ!」

そしてフルルは楽屋へ歩き出した。僕もついていく。



フルルはおしゃれを手に取ってそのおしゃれについて語った。

どうやら『ペパプ・イン・ザ・スカイ!』の写真は2つあるらしいが、まさかこっちの世界の方の写真にそんな秘密が隠されていたなんて……

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