「我が君、此度の戦は、我が軍の敗退で御座いますが、いかがいたしましょうか？」

「……ん？ "いかが" とは、どいう言う事だ子房？いつものように皆で退却をすれば良いではないか？」

「う～ん、確かにそうでは、ありますが、君……。では、どなたがしんがりをするのでしょうか？いつもは韓信先生がしんがりを引き受けて──時間（とき）を稼いでくれていましたから、何とかなりましたが。此度からは韓信先生がいませんから。一体何方がされるのでしょうか？しんがりを？時間も余り御座いませんから。我が君からしんがりを御指名ください……」

　まあ、こんな感じで赤の御旗の本陣では軍議が始まったのだが。ゲームの世界と言う事もある為だろうか？

　何故かしら？先程から何度も名前が出るのだが、劉邦の正室でもある【呂雉様】までいるのだよ。困った事にね。

　またこの妖艶お姉様、大変な野心家であられますから大変に困ったもので……。

　三大悪女の一人と言われ何を考えているのか、全くこちらも解りません？

　此の度も夫である劉邦（赤帝）の許可もなく、勝手に自身の為にと新調した、煌びやかな装飾の入った──。誰に自分自身の肢体を見せびらかしたいのか解らぬが？

　派手な紫色した露出度の多い甲冑を着込んで馳せ参じているのだよ。