第98話 逃げの赤帝? (3)

 まあ、こんな感じでさ、子房様は、韓信先生は忠臣であるから大丈夫だと、丞相でもある蕭何しょうか様と二人で、説得を試みた。


『嫌だ! 嫌だ! あいつはもういらん! 戦下手で逃げ回るのが得意な俺の事をいつも侮るような目でみるからいらん! 』


 でも、こんな御容姿でね、赤帝自身の頭を振りながら嫌だ! 嫌だ! と、駄々を捏ねる子供のような振る舞いをするのみで、全く持って聞く耳を持たない。


 だから仕方がない……。歴史は繰り返されると思いながら、天をいつも仰ぐのだよ。


 と、なると?


 子房様自身も時を見計らい劉邦赤帝の宮殿の政治まつり事から手を引き、隠居をした方が良いのかも知れないと思い始めたよ。歴史の通りに……。


 だって此度の韓信様左遷には、劉邦赤帝の正室でもある、世にも名高い悪女の一人【呂雉様】が絡んでいるから。


 おおお、怖いと言う訳でね。


 張子房様も宮廷内の陰謀に巻き込まれたくはないので、そろそろ、田舎にで入り女の身一人で暮らそうか、とも、思案をしているようだよ。


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