第81話 項籍・項羽と韓信! (50)

 まあ、とにかく、口煩いメンバー達が揃っているのは間違えない訳だから。


 それでも韓信自分の事を幾度となく、騙されているとも知らずに、馬鹿正直に解放をしてくれた。


 向こうの日本世界にいるの事が気になり始め出したよ。


 あれ程自分本位な項羽が、この人の為なら命を投じても悔いはないと、言わせた男に、自分自身も身を委ねてみるか?


 韓信の心は悩みに悩んで、揺れに揺れた──。


 特に此度の戦が終れば、劉邦赤帝に国をやると告げられてはいるが。


 それはあくまでも、劉邦赤帝自身が、韓信が不要になったから、もう身近に置いて世話をさせる気はないと、述べているようなもので。


 実質、左遷と同じなのでは? と、韓信様も思っているようだ。


 だって、良く考えてみてよ? 本当に劉邦赤帝が、韓信自分の事を愛しているようなら。いつまでも劉邦赤帝の傍に置いておく筈なのだよ。


 それにさ、前にも述べたけれど、劉邦赤帝は名うてのプレイボーイでね、つい最近また新しい側室を入れたと噂にもなっているぐらなのだ。


 まあ、そう考え始めると、韓信も女性だ。いくら国士無双の英雄だとしても、女の嫉妬心が心の奥底から湧いてくる。


 それに忘れていた記憶……。


 と、言うか?


 韓信自身が忘れようと努力をしていた。遠い遠い昔の記憶が湧き出てくるのだ。


 そう? 劉邦赤帝への猜疑心と一緒にね!


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