第42話 項籍・項羽と韓信! (11)

 と、此方がこんな状態なのだから。この戦の指揮をとっている籍自身は、更に張り詰めた状態でいるようだ。


 だって、自身の口の中に溜まった唾を『ごくん』と、喉を鳴らしながら飲み込み。真剣な眼差しでパソコンの画面に釘付けになりながら凝視しているのだよ。


 それも冷や汗をかきながらね。


 まあ、そんな籍の様子を傍から見ていると──。


 そりゃそうだ!と、此方も想う?


 だって、もしも仮に? 国士無双の妖艶なダークエルフの韓信彼女に、自分自身の分身……若しくは、片腕とも言える戦姫が、敗戦をするような事にでもなれば。


 今後のゲームプレイの続行自体も不可能になる可能性もある訳だからね。


 それに仮にも? 劉邦にでも登用される事にでもなれば。


 籍の命よりも大事な戦姫は、あのニヤケた赤面 面せきめん ずらした男のいいようにされてしまう可能性もあるのだよ。


 だから籍本人の顔を凝視て──確認をしても分かるように。彼は本当に真剣な面持ちでいるようだ。


 それに自分自身の分身でもある美しい戦姫を国士無双の韓信彼女に直接当たらせて対処するのだから、本当に真剣そのものだよ。


 だからこんな感じで。


「いっ、いけぇええええええっ! 項羽ぅうううっ! 韓信など倒してしまえぇええええええっ!」


 籍は自身の気を高ぶらせながら。自分自身の分身若しくは? 右腕でもある彼女に対して鼓舞をしたのだ。


 それも大変に声を大にしながら叫び──。そして終えると……。


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