ゲスいお嬢様的日常(仮)

胸の轟

1.異世界転生=モテモテの図式は幻だった






強風に煽られ顔面に張り付いた広告を手にして見ると


〔乳首を吸うだけの簡単なお仕事です。経験不問〕



「……」


「危ないッ」


声にハッとした時にはすでに遅く、トラックが突っ込んでくるところだった。



あ、死んだな。これ。










◇◇◇



見たことのない天井だ(多分)


視界がボヤッとしてるし、身体が動かない。


え、どういう事??



トラックにはねられて麻痺してるとか?



もしくは今流行りの転生?

転生なの?


チートでハーレムでひゃっはーなの?




「あら、起きたのね。お腹が空いたのかな?」




あ、誰か来た。



抱き起こされ、声の主がおっぱいポロリした。




乳首を吸うだけの簡単なお仕事です。



広告の文面を思い出す。



エロい仕事だと思った?

残念!転生して赤ちゃんになるって事でした!



とか言ってそう。

アレ書いた奴。


うん。そういう落ちだと思ってた。だからちっとも悔しくない(棒読み)




乳首を吸うだけの簡単なお仕事をこなしながら、チラリと相手の顔を見るとかなりの美人さんであった。



この人が母親って事は容姿に期待出来そう。


うむ。将来ハーレムを実現してやるぜ。


待っているがいい、まだ見ぬ美形共よ。







なんて思ってた時期が私にもありました。



世の中そんなに甘いわけなかった。チートなにそれおいしいの?というのが世界ってヤツだったね。


赤ん坊になって無垢な真っ白い心になって、世の中の厳しさも忘れてた。




初めて鏡を見た3歳、諦めを知り、家に腐るほどお金がある事を知った5歳、私は思った。




そうだ、お金で解決しよう。


お金があればなんだって解決出来るよね(ゲス顔)



寧ろお金で解決出来ないことなんて、この世には存在しないと思う。お金最強伝説。


お金が最強なのは疑いようもないが、良く考えたら、最強ゆえの弊害が出てくるよね。私がお金持ちのお嬢様と知られたら、私のお金目当てにハイエナ共が群がってくるかもしれない。


抗う力のない私は、甘い汁を吸われまくりボロ雑巾のように捨てられてしまうことだろう。


それはちょっと遠慮したいので、先ずは身を守る術を確保し、それからお金の力で美少年を侍らせることにしよう。




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