300文字の物語 〜Third Season〜
正月
大晦日には、
母とお節を作るのが恒例。
重箱へ料理を詰めながら、
ぼんやりと思う。
それぞれの料理に、
意味とか、いわれがある。
なんだか会社みたい。
例えるなら、重箱が社屋。
料理は社員ひとりひとりだ。
鯛の姿焼き。
めでたいってことで、社長かな?
数の子。
部長の家は子だくさんだからね。
伊達巻き。
もじゃもじゃ感が、課長の髪の毛みたい。
車海老。
ぺこぺこしているみたいで、係長っぽい。
田作り。
このガリガリ感。主任の体型にそっくり。
黒豆。
営業部のエース。あの人、色黒だし。
きんとん。
私の大好物ってことで、これは絶対に彼氏。
来年こそ、営業成績が伸びるといいなぁ。
気が付くと、きんとん特盛りのお節。
食べ正月っていうのもいいよね。
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