興味を惹かれる要素が詰まっている作品だと思いました。龍、龍を祀る舞の継承する少女、それらを取材をする主人公。もう想像力を掻き立てられる素晴らしい組み合わせで読み進めていくうちにどう展開するのか楽しみでした。ただそれだけにもったいないなぁとも。淡々と話が進んでいってどういった経緯でといいますか、もうちょっと背景を知りたいと思える部分がありました。舞の部分は注力されて丁寧に書かれている印象だったので他が切り取ったように思えたのかもしれません。気になる要素は色々あったので舞の部分と同じような文章量でもうちょっとゆっくり見たい、長編として深みがあるこの作品を見たいと感じさせる傑作の原石みたいな小説でした。