第6話

 遠ざかっていく名前も知らぬ美女。

 美女を見送りながら俺は心のなかでつぶやく。


『さらば青春。

 そして、こんにちはさくらんぼ』


 夏が来た気分だ。

 俺温暖化現象により春が来ずに夏が来た。

 脳内のニュース速報で流れた。


 俺はため息を一息つく。

 すると先ほどの美女が走って戻ってきた。


「これ……私のメアドです!

 よかったら……受け取ってください!」


「あ、はい」


 息を切らしている彼女が可愛い。

 そして再び脳内臨時ニュースが流れる。


『我が世の春が来た』と……

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