第5話 俺のラブドール
眠っていた。目が覚めたら午後4時をまわっていた。未希もそばで眠っていた。未希にはそうとう堪えたみたいだった。まだ、痛みを訴えていた。
腹が減った。夕食はどうしよう。弁当にも飽きているので何か作るか? 二人居ることだし、カレーでも作ろう。材料があるか確かめる。
人参、ジャガイモ、玉ねぎが冷蔵庫の中に転がっていた。何とか使える。丁度、鶏肉が冷凍保存してあった。足りないものはカレールーと福神漬けだと分かったので、すぐに下のコンビニへ買い出しに行く。
部屋の戻ると、未希は起きていた。もう服を着ている。
「夕食にチキンカレーをつくることにした。食べるか?」
未希は黙って頷く。
炊飯機でご飯を炊く。2合もあれば十分だろう。俺が準備するのを未希は黙って見ている。小一時間でカレーはできた。ご飯も炊けた。6時には食べられるだろう。
大きめの皿と中くらいの皿にご飯とカレーを盛り付ける。未希に「食べるぞ」と声をかけてテーブルの椅子に腰かけた。「食べてみてくれ」というと、すぐに黙々と食べている。「おいしいか?」と聞くと、頷く。確かにうまくできた。
このごろ、弁当ばかりだったので、作ったカレーは新鮮味があっておいしい。レトルトよりもずっとうまい。俺はすぐに平らげた。未希も平らげている。「おかわりするか? まだあるぞ」と言うと、頷いてお皿を前に出した。残してもしかたないので、残りのごはんとカレーを二人に分けた。また、食べ始める。
「ごちそうさん。うまかったか?」
「おいしかった」
「それはよかった。たまには料理をつくるとするか」
未希は頷いた。それから、未希は立ち上がって食器を流しに運んで洗い始めた。
「洗ってくれるのか?」
「はい」
口数が少ないが、意思表示はしている。もっと笑ったりしてほしいけど、しょうがないか? 俺が未希にしていることは相当にひどいことだと分かっている。当たり前だ。それよりやらせてもらえるだけやらせてもらおう。元を取らないと!
休日だから、食事を終えてもまだ7時、寝るには早すぎる。真ん中の6畳の部屋のソファーに腰かけてテレビを見る。
一緒に見ようと言うと未希がソファーに腰かける。すぐに抱き寄せて身体の感触を確かめる。未希は黙って動かずに身を任せている。まるでラブドールを抱いているみたいだ。反応がない。
9時になったのでお風呂に入る。二人で入るが、もうそれにも飽きてきた。未希に背中を洗わせてすぐに上がった。未希には上がったら、今日買った下着とパジャマを着てくるように言っておいた。
ベッドで待っていると、未希は上がったみたいで、隣の部屋で俺が言ったように下着とパジャマを着ているようだった。そして奥の部屋に入ってきた。
見違えるように可愛い。髪と眉がすっきりしたせいで顔が整っていてきれいなのが分かる。パジャマ姿もとても可愛い。なかなか着るものを選ぶセンスがいいと感心した。こんなに可愛い子だったのか。
「とっても可愛いね。パジャマも似合っている」というと、少し嬉しそうに笑った。その笑顔がまた可愛かった。初めて見る笑顔だった。
手招きしてベッドに座らせる。折角着てきた可愛いパジャマや下着を楽しみながら脱がせにかかる。あとはおきまりのやりたい放題。
やっぱり可愛くなった娘を弄ぶのはいいと満足感に浸っている。未希はもうぐったりして眠ったみたいだ。寝顔を覗いてみる。あんなにいやなことをされていたのに安らかに眠っている。信じられないが、苦痛の表情など全くない。とっても可愛い寝顔だと思った。
それにいつまで見ていても飽きがこない。いつまでも見ていたい寝顔だ。見ているとこちらも心が安らかになる。起こしてもう一度とも思ったが止めた。こちらも限界だ。また、明日の朝の楽しみにとっておこう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます