第4話 純情バージンを落とす
俺は、チェルシーと付き合っていたが、他の女にも手をだしていた。演劇部に所属していた女だ。友達に誘われて公演を見に行ったんだ。まっ、この年代の友達づきあいは、ちょっとした
シェクスピアのロミオとジュリエットなんていう超古典が演目で俺は眠くて今にも眠りそうだったんだ。そのときだ、エレーナが舞台に登場したのは……。俺の目が一変で覚めたんだ。黒髪に潤んだブラウンの瞳に釘付けになった。チェルシーとは、全く違う容姿の女だった。チェルシーは金髪でブルーの瞳。その容姿だけが、チェルシーという女が唯一自慢できるものだったからな。
エレーナは、落ち着いた清純そうな女だった。まだ男と付き合ったことなどなさそうな清楚な雰囲気を漂わせていた。
俺は、客席からエレーナにありったけの想いを込めて、熱いまなざしを送ったんだ。彼女のふっくらした唇から語られるロミオへの愛。
俺に語ってるようにしか聞こえなかったぜ。
エレーナは、優しい微笑みで客席の俺を一目見た。俺は確信した!
こいつも俺に気があると……
演劇が終わり最後の舞台挨拶の時、舞台に立つエレーナは俺の目を見てもう一度、微笑んだんだ。
「ロバート。私はあなたのものよ」ってな !
隣に立っていたロミオ役の男が俺を
俺は、エレーナが出てくる舞台の裏口に立って彼女の出待ちを狙ったのさ。こんなチャンスはなかなか巡ってこないからな。とにかく、チャンスがあるなら早い方がいいだろう。明日学校で会うとチェルシーもうるさいからな。
狭い通路から出てきたエレーナは、驚いていたが、うっすら頬を染めて微笑んでいた。俺は、エレーナの肩を抱き寄せ、額にキスすると、すばやく顎をクイッともちあげて唇を重ねたのさ。エレーナはとろけたような目でうっとりと俺を見ていたぜ。最初のキスだから軽いものがいいだろう。俺の頭は妙に冴えていた。こいつはもらった。俺には確信があった。こいつは俺を拒まない。
「今夜、俺とデートしないか?」
エレーナは、こっくりと頷き、友達の女の元へ駆けて行った。
今夜、そいつのうちへ泊まることで親ヘの口裏合わせをする手はずをつけてきたんだ。今夜はついてるぜ! こんなウブな女を抱けるんだからな。
ワクワクした気持ちでエレーナを俺の車へ乗せたんだ。そこからは、いつものように車を走らせ夜景の見える高台へと向かったのさ。ここは男達のパラダイス。高校生が車で女を連れてきて快楽を得られる場所だった。
エレーナは、俺のことをすでに色々と知っていたようで、「憧れの人だったのよ」と言って隣で笑っている。
「俺もお前のことが気になってた」
取り
ハンドルを左手で握りながら、右手でエレーナの左手を取って、その綺麗な人差指を舐めるようにくちづけしたのさ。エレーナは経験がなさそうだったから、少しずつ気持ちをほぐしてやらないと今夜、俺は絶頂を得られない。そのための儀式だ。
俺は……繋いだ手を俺の口元に運び、彼女の細い指に何度も何度も舐めるようにキスをした。
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