第2話 愛とはなんだ?

 俺は、まだ13歳のガキだったんだ。


 寂しかった。リタも同じだったんだろう。俺たちは快楽に溺れ、それを愛と信じた。


 リタは妊娠した。避妊は、気づいた時に……していただったが、何せ未熟な俺は上手く避妊できていなかったんだろう。


 リタは、俺の耳元でこっそり呟いたんだ。

「ロバート、あなたと一緒になりたい。一緒に子供を育てましょう」


 リタのささやきが、悪魔の囁きに聞こえた。


 俺は、まだ13歳でガキなわけで、ただマリアのしょぼいちちが恋しかっただけなんだ。ガキの俺は、途方にくれた。



 リタの親は、カンカンに怒り狂った。

そりゃそうだろう。あいつの両親は医者で「ドクターに聞こう」なんていう題名のテレビ番組を持つ有名人だったからな。娘が13歳でガキを産むなんて……世間に知れたら週刊誌のネタだろう。


 当然だが、俺たちは会うことを禁止された。

リタは、俺の子を産みたがっていたが、許されるはずもなく、ガキは堕ろされ、あいつは、寄宿舎付きの女子校へ転校させられた。


 あの日、あいつが囁いた悪魔の囁き……

「ロバート、あなたと一緒になりたい。一緒に子供を育てましょう」を二度と聞くこともなくなり、俺は正直ホッとした。


 だが、親父と義理母には、こっぴどく叱られたぜ。あいつらに俺の気持ちなどわかるはずもなく、俺はあいつらを軽蔑し、憎しみの感情さえ芽生えたんだ。


 俺はこの事件を機に、両親と分かり合えることはなくなった。

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