第3話 通雨

車窓に流れうる哀しき一雫

見えぬ空から

じっと観てみる

憂鬱な感情を引きずる

君に言った


「通り雨だから止むよ」

「そう?じゃ降りるね」

いろんなことを考えさせる

たった一つの雫なのに

その身は幾万の想いで形成される

それは悲しげな音を放ち

やがて車の屋根を叩く


何故そんなに哀しむのか

灰色の世界が

やがて輝く陽に嫌でも照らされるのに


優しい雨に打たれて

いつまで泣き続けるか

残酷な雨に打たれて

いつまで憎しみ続けるのか


心の内側はいつも哀しき雨

晴れることを失ったこのガラスの心は

誰にも聞こえない叫びをあげ

ひそかに助けを求めてる

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