第2話 エイボンの書

 図書館の王である盲目にして白痴の司書が作り出した蔵書は混沌に満ちている。

 分類がいい加減なのだ。

【美容】コーナーで女性が『エイボンの書』を手にしている。

 化粧品メーカーだと思われたらしい。

 彼女が若さを保つアンチエイジングのおまじないを唱えた。

 ――彼女の石化が始まった。

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