第025話『てんせいごろし 3』
「………ふふふ。―――――はははははははははッ!!!!」
黄金色の光に包まれると共に俺は力を手にし(感覚的には)、高笑いをしていた。―――――今の自分なら何でも出来る。そんな気がしてたまらなかった。
「………ミレアちゃんっ、私もう限界………かもッ……」
「お願いだティアっ、もう少しだけ持ちこたえてくれッ」
「わ、わかった!!」
感謝するぞティア。
額に汗が滲むほど魔力を使い、結界を張り巡らせてる。その間に俺はアクションを起こす準備を行う。
固い地面に思いっきり聖剣を突き刺すと同時に魔力を送る。
………そして聖剣を伝い、屯う
………要は魔法は"想像力"と"創造力"。
つまり、アイデアと力がある限り、魔法の種類は無限大なのだ。
…………全ての敵に魔法陣を展開し終えると同時に、俺は魔法を叫ぶ―――――――ッ!!
「野次馬殺しの『
今更ネーミングにこだわる必要は無い。通用すればそれでいいッ!!
魔法を詠唱すると同時に、魔法陣から細長い火柱が上がり、
……そしてイカした決めゼリフを。
「火力マックス、ウェルダンの気分は如何かな?」
「…………み、ミレアちゃんすごいですっ!! ネーミングセンスと決め台詞が酷い以外、非の打ち所がないですよっ!!」
ティアは結界を解除し、俺に抱きついてきた。
いやさ? それ遠回しに『非の打ち所しかないですよ』と言っていますよ?
つまらないギャグ線の勘を取り戻した俺は最強である。
「―――――その見た目でさっきから寒い言葉並べおって」
「………うっ。お前までツッコムなっ!!」
中身はおじさんであるが、容姿は幼女なのだ。――――――たしかにはしたない。だがそれが俺、銀髪美少女ミレアなのだ。
「―――――
戦慄漂う戦場の中、ジェドリアは昂りを高めながら一歩、二歩と、近づいてくる。
(
ティアを庇うように、前に出て聖剣を構える。…………一瞬の隙を見せれば喰われる。―――――だが、俺にそんな剣の構えをする技術はない。きっと隙だらけだろう。
…………ならっ。
「(攻めるだけだッ―――――!!)」
勢い良く踏み込み、ジェドリアの持ち手の逆、『左手』の間合いに入る。
…………これなら反応しきれない―――――――――
「………"見え見え"ですよぉ……?」
「――――ッ?! はっ、、、、?」
それは予想していなかった。
俺の振るう聖剣を剣で打返すのでは無く、素手で受け止めていたのだった。
………チッ。その隻眼、なにか仕込んであるな。
「殺し合いの最中に考え事ですか―――――?」
「……………ちっ―――!!」
ジェドリアの斬撃を躱すため、聖剣を手放し、後ろへ逃げる。
――――だが、左腕が赤く滲み始める。
「…………確かに避けたはずだが、、、、」
「さぁね? 私は良心的な敵じゃありませんので無闇に能力は明かしてあげませんよ?」
目を大きく見開き、俺を睨みながらジェドリアは再び近づいてくる。
…………そしてジェドリアは俺に聖剣を渡すかのように地面に投げつけた。
「………何の真似だ……?」
「こんな状態で勝っても楽しくありませんよ? 私の
―――完全に舐められているな。
だが、それが仇になることを後悔するなよ…………!!
「………『
俺は一人で戦っている訳では無い。
ティアが斧を振りかざすと、白色の衝撃波がジェドリアに向かって刃を立てる。…………このスピードなら避けられまい―――――――
「ふんっ!! そんな攻撃、
ジェドリアは俺への警戒を解かぬまま、
………こういう時、どういった反応をすればいいのだろうか。―――――だから俺は馬鹿正直に口を開く。
「…………馬鹿だなお前。"技名"聞いてなかったのか?」
「…………は? それがどうした―――――えッ?!」
衝撃波を
…………こういった強キャラはつまらない場面でやらかすのだ。
何故、ティアが時間を置いて攻撃をしたと思う………? お前を調子に乗らせるためだ。
一方的に俺を追い詰め、強者の優越感に浸かる。…………それが指すのが『絶対的自信』。
自分は強い、自分に勝てる奴はいない、自分が防げない技はない………そういった昂りに理性が呑まれ、自爆する。それが今回起こったことだ。
「強さだけじゃ足りない。 ここを使えババァ」
何ともキザな決めゼリフを吐いてみた。………まぁ実際手柄はティアにあるんだがな。身代わり役としてこのぐらいの美味しい役は頂きたいってわけよ。
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