午前0時なのに魔法が解けない

「片方が死んだ以上、魔法は解けぬ」


襤褸を着て眠るように穏やかに目を閉じている若者を胸に抱いた老婆は語る。


「最後に野原で煌めく星空を見るのが夢だったそうだ」


皺だらけの手が夜目にも蒼白い若者の頬を撫でる。


「俺は……」


綺羅を纏った方の青年は震えた。


「お前は王子として生きるが良い」


*つれづれお題屋bot @odaiyahonpoさんの「午前0時なのに魔法が解けない」からの創作です。

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