「ちょっと待って、私も彼と……」

「いい加減、目覚ませ」

　振り向いた彼はゾッとするような目で睨み付けた。

「俺は間諜（スパイ）なんだ」

　一年前、そう打ち明けてくれた後も一緒にいたでしょ?

「日本の女は簡単だな」

　手錠の彼は隣の刑事に冷たく笑った。

「俺が実業家と今日まで疑いもしなかったよ」

　＊お題bot @odai8162さんの「俺は悪人、君は騙された可哀想な女の子、それでいいんだ。」からの創作です。

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