第21篇FOR THE MONEY

喫茶店に座ってるとね


落ち着けるんだよ


隣を見ると


妙に腰が柔らかな君



君が隣にいると


妙にね


そう妙にね


なんていうかさ


うん、妙なんだ



人生が開けるのかと思った


光が差してくるのかと思った


でも勘違いだったみたいだね



無心のガラス越しに


見ていた


抱きしめると離したくなくなる


甘酸っぱくて柔らか


初めてだよ


こんな気持ち


口づけようと思ったが


やめといた



多分君は


金のために


僕に近づいてきたんだね


そうか


金にためだったんだ



決まった人はいる君


自分の首を絞めてるよな


肌が触れるだけで


こみあげていく


抱きしめたい衝動も


たまに我慢しなきゃならない


叶わないとわかってて


会いに行ってしまう



でも


金が目的なんだよね


そうか


金なんだね



頭が痛い


胸が苦しい


写真を探して


記憶を頼りにして


一晩中もがく



何度か触れた肌のぬくもり


つややかなシルクのような


その綺麗な肌


僕は一生忘れないだろう


2017(H29)3/6(月).・1993(H5)2/1(月)











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