第18篇YOUR FACE,YOUR SMILE,YOUR SOUL

なにゆえにうつむく?


君の悲しい顔なんて見たくない


雨の中掴んだ細い肩


あの頃のままだね


君を抱き寄せたあの日から


僕の時間は進んでるんだろうか?


なぜそんな切ない目を向ける?


僕が嘘の上塗りを勘ぐってると思ってるのか?


僕は君の髪に触れる度


貧しい心を震わせてる


君が少しでも笑顔を見せれば


安心して珈琲が飲める


次の扉の向こうは楽園かもしれないのに


君はノブを掴もうともしない


結局特撮の白いセットで


僕の膝に顔を埋めて泣くだけ


でももう涙なんか枯れてんだろ?


ちゃんと知ってるよ


君は自分が思うほど変じゃないよ


そう言って信用する君じゃないけど


もっと自分の魅力に気付きなよ


君に手を差し伸べてくれる


暖かい手は沢山あるよ


こんな寒い夜に


布団にくるまって


頬を震わせる君は痛々しい


なぜにそんなにうつむく?


なぜにそんなに切ない目をする?


深夜3時に僕の携帯に連絡して


呼び出し、俺の膝で丸くなる


まるで子猫のようだ


部屋中ゴミだらけ


君は女の子なんだからきれいにしなくちゃ


部屋を片付けてると


君は僕の袖を引っ張る


カラオケに行きたい?


もう夜中4時だ


明日の昼にしよう


そう言うと君はまた布団にくるまる


自由な鳥のようだった君


今はなまけ猫だ


食べ物を与えても食べようとしない


ほらこのままじゃ病気になってしまう……


君の寝顔を見てると


なんか体が温かくなってくる


君が欠伸をしてると和む


2人の行く道はまだ遥か果てしない


またスタート地点に戻ってる気がする


でも僕は何も苦にしないよ


君の笑顔が見たいだけなんだ


他人が何と言おうと


全く関係ない


物好きなんて言う奴は張り倒す


冬の寒さが堪えるのか


メールが夜だけでも30件くらい入ってる


仕方なく君の家へ


君はポトフを作って用意してくれていた


一緒にベッドに入り寝かしつける


この極寒の中で


マッチの火のような小さな希望


君はそんなものに身を委ねてる


もっと頼っていいよ、これからもずっと一緒なんだから


やがてまぶしい朝陽がやってくるさ


僕らはこれからも大丈夫


花が咲くころ


楽園の扉の向こうに野原は広がるのか?


2017(H29)2/18(土)









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