第15篇Eyes Of Blue

昨日聞いた事

君と彼の事

聞き耳立ててたわけじゃない

そんなに気に留めないと……


うまくいくと思った

僕は密かにそう思った

でも本心は漏れてしまうのか

隠し通せないのか


「一緒に住んでみれば」

簡単には言ったけどね

蒼い目で

蒼い微笑みで


翌日彼女が訪ねてきた

「今日は仕事行かなかった」

疲れた目でそう答える

僕は目を細める


彼女は泣いてた

本当は泣いてた

僕は知っていた

後ろから抱きしめたかった


不器用なもんだった

コーヒーを呷ってごまかす

彼女の泣き笑いは目に痛い

苦しいことこの上ない


「一緒に住んでみれば」

簡単に言ったけどね

蒼い目で

蒼い微笑みで


別れてほしくはない

壊れないでほしい

でも僕は……

でも僕はやっぱり、そう


何も残ってないと

酒も飲まず

一人でぼんやりテレビを見てる

彼女は今頃……


永遠に朝が訪れなきゃいい

彼女の匂いの残った夜

夜よ終わるな

朝なんて来るな


1989(H1)5/25(土)・2017(H29)1/31(火)

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