第49話「奔放なる焔姫(ほのおひめ)」前編(改訂版)
第九話「奔放なる
「これは……どういう趣向だ。何を企んでいる?”
本州東部を支配下に治める強大国、”
領都”
”
本州を四片に分断する各々の大国――
東を制する、最強国の呼び名も高い”
中央北部に拠点を構える
中央南部に肥沃な領土を誇る最古の国家”
西に覇を唱える”
さらには北の島、
同じく、南の島、
本来ならここに……
西の島、
この間の
七大……いや、現在はそういった意味で”六大勢力”であるが、
中でも最大の権勢を誇る”
「答えよ、”
口元にヒゲを蓄えた、見るからに気難しそうな壮年の男は激しい口調で問い糾す。
「…………ふっ」
少し癖のある長い赤髪の女が、
「趣向?ちがうわ、これは座興よ、酒の肴……
独り席を立った美女は、”
今度はあからさまに微笑む。
「なっ!?」
「……っ!」
「…………」
百戦錬磨、英俊豪傑である大物達も、思わず息をのむ美女の眼差し……
魅つめる
――ペリカ・ルシアノ=ニトゥ
”
「
南の島、
「……」
しかし赤髪の美女は全く怯まない。
顔といい腕といい、あらゆる処に矢傷、刀傷の跡が残る猛々しい風貌の
付け足すなら、
「貴公の振る舞いは、”
次に最北の島、
「へぇ、そぉ?」
しかし、やはりというか、赤髪の美女は動じない。
北に点在する数多の狩猟民族を統一した若き王にして最強の
”
「
”
「
「あははは……”和を以て貴しとなす”とでも言うのかしら?ふふふ、全てを話し合いで解決する”
いいや、
――っ!
そして、その尊大で巫山戯た態度は、”
「あ……その……その言い方は……ちょっと……各国の代表である諸公に対して失礼ではないでしょうか……その、ペリカ・ルシアノ=ニトゥ殿」
場の空気を察してか、怖ず怖ずと自信なげながら、栗色の髪の少女が遠慮がちに意見を述べた。
「
「え?」
ちょこんとした可愛らしい鼻と、綻んだ桃の花のように淡い香りがしそうな優しい唇。
毛先をカールさせたショートボブが愛らしい容姿によく似合っている少女。
大きめの潤んだ瞳は少し垂れぎみであり、そこから上目遣いに”
宗教国家”
誰の異論も挟む余地の無い美少女であろうが、どこか頼りなげな仕草と雰囲気から、如何にも大人の美女といった”
「あの……?」
栗色の髪の少女を一瞥して、さも愉しそうに笑い出す紅蓮の美女に少女は、その本意を量りかねているようだった。
「あはは……そうよ、そもそも元を正せば、この場に極上の獲物の存在が有ることを知らせたのは
「え!……そ、それって……」
「あははっ、そうよ!
「あ……」
そして
「あ……う……」
「戯れ言はもう良い!それよりも”
言いたい放題のペリカ・ルシアノ=ニトゥに痺れを切らした
「
「き、きさまっ!この
「
お互いがお互いの逆鱗に触れたのだろう……
――ガタンッ!
「っ!?」
「……」
一触即発という場面に、席を立つ音が響き、睨み合う二人の意識は一瞬、
「いい加減に話を先に進めて頂けるかしら?
そこで立ち上がったのは……
腰まで届く、降ろされた緑の黒髪は緩やかにウェーブがかかって輝き、白く透き通った肌と対照的な
――
本州中央南部を支配する
本日は、歴史ある最古の大国、”
第九話「奔放なる
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