[3月2日(金)先負(晴)]

道端にドングリを見つけた

転ばないように足下を見ていたら

頭の上から落ちてきた


痛い、それはとても鋭くて硬い石と視線


「皆で集まり満足して『団栗どんぐり』の背比べだね。」

誰の声? 私の中でささやく幻聴


大きくて丸い、曇りの無い満月

沈んだ月には、気付かない



道端にどんぐりを見つけた

落ちてこないように見上げたブナの木は

私のふところに転がり込んで来た


いだい、それはとても鋭くて固い意志と勇気


「どんぐりええやん、かわいくて!」

君の声、私の胸に響く緊張


小さくて丸い、濁りの無い泥船

沈んでいても、気付かない

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