Science Fiction short.no1

野水 志貴

Conversation at some laboratories.

博士は閃いた。

助手を従え、博士は言った。

「君は未確認飛行物体を目にした事はあるかな?奴らは目にも止まらぬ速さで存在しているため、我々は奴らに気付く事が出来ないのだ。

そしてコイツは俺の相棒、”チェーン”だ。賢く、正義感の強い素晴らしい生き物だ。”ジャッキー”と間違えて呼んでしまうのが玉に傷だ。」

博士は、自分より大きい助手のチェーンの足の間にいる。

博士は研究者のよく着る白衣をまとい、スティックでボードを刺した。

彼は犬の顔をした奇妙な博士であった。

「ご覧ください。これはなんとも美味しそうなミートボールスパゲティに行儀悪く食いつく未確認飛行物体です。」

彼らのランチもミートボールスパゲティだった。

チェーンはランチを思い出し、何とも言えない気分になった。

研究所の中は地球儀がつられていたり、様々な資料が壁に張り尽くされている。

「ジャッキー、コーヒーを一杯。」

「何度も言うようだが、先生。俺はチェーンでジャッキーではない。返事はノーだ。」

「俺たちの行いも、どこかの誰かに監視されていて、非行に走ればいつでも摘みだされてしまうのだ。」

「まるで世の中ですね。」

「よくある話だ。」

天井があき、大きな手が彼らを捉えていた。

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