六月二十四日

 すもも、やまもも、ラズベリー。こういった瑞々みずみずしい宝石ふうの実りがあることが、いま一等の楽しみ。

 散歩。風のなかのアオイや、オシロイバナは浴衣ゆかたに似て、かすかにれている。水路沿いには、フサスグリのける赤がれるほどある。


 途中、あるお宅の庭を見せていただく。

 品のある白はナツツバキ。静かな紫のキキョウ。いしだたみの向こうのケムリノキは、すぐにもただよいだしそうにしている。

 暗くなるととも洋燈ランプが、ひょっとすれば遠い国の童話を聞かせてくれるかもしれない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る