第331話 わたくしだって! (11)

 彼女、夏侯淵の視線の先には、ドワーフ種族の戦姫である二人の姿……。



 それも二人揃ってこちら。夏侯淵が不貞腐れ座っている場所に向けて、笑いながら歩いてくる李傕と郭汜の両雄の姿が、彼女の目に映ったから。


「御二人共、お疲れ様」と。


 夏侯淵は直ぐに、と言うか? 


 自身の口から自然と両雄、李傕と郭汜の二人を労う言葉が漏れてくるのだ。


 だから夏侯淵から労いの言葉をかけてもらった二人。李傕と郭汜の口からも自然と言葉が漏れてくるのだ。


 それが、先程迄は敵として戦っていた相手、戦姫であろうとも。戦、合戦で死人のでないこの世界だからスポーツ競技。只の団体スポーツ競技と変わらない戦、合戦、戦闘だから。


 夏侯淵の労いを聞いた二人。李傕と郭汜の二人の口からも自然と。


「夏侯淵殿もお疲れ様」


「お疲れ様、夏侯淵君」と。


 お互いの健闘を称えるわだかまりのない。自然な労いの言葉が漏れてくるのだよ。


 この世界は何度も説明をする通りで、完全に死ぬ事、デリート、消去する事がないからお互い遺恨、憎悪が残らない。


 と、説明をしたところで話しを元の話し。戦場へと戻すのだ。




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る