第321話 わたくしだって! (1)

袁渙えんかんー!」


「姫様、何ですか?」と。


 何処かのお嬢様。


 それも、ツンでデレな金髪碧眼、縦ロールのエルフなお嬢様が、大変に甲高い声音である人物、袁渙えんかんを名指しで呼べば、ハイハイ、何ですか、姫様? と、大変に気だるげ、面倒くさい様子。また何やら無理難題を課せられ、行動をしなくてはいけないのでは? と。


 暴君、我儘娘にツンデレお嬢様と。その他にも色々な悪しき要素を持つ袁術お嬢に名指しで呼ばれたエルフな袁渙お姉様なのだが。


 同僚の紀霊将軍のように気だるげ、面倒な下知には関わりたくはないぞと言った様子と振る舞いで、返事をしながら袁術お嬢様の許へと到着をすれば。


「袁渙直ちに、紀霊と交戦している夏侯淵の隊と曹洪、于禁の隊へと、の魔法をお返ししてあげなさい。今直ぐに。わかりましたか?」と。


 袁術お嬢様は、フン、フンと、言った感じと様子、振る舞いで、鼻息荒く袁渙えんかんへと指示を出せば。


「えっ! あっ、はぁ……」と。


 袁渙お姉様は、自身の主、姫である袁術お嬢様が余りに真面な指示を出すから。彼女は返って驚愕、驚きを隠せない表情で言葉を返せば直ぐに、自身の両目、瞼を閉じて、魔法スキルの詠唱を唱え始める。




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