第257話 【咆哮!】李儒(理樹)と内気な姫殿下(2)
そんな戦姫達の様子と崩れ落ちる巨人兵の様子を凝視すれば、
(よぉーし! いける!)
と、思うと、脳裏で自然と呟く。
と、なれば!
ここは敵の巨人兵を一気に撃破! 破壊!
と、なるから。
次の策を思案──。
自身の味方、パーティーメンバー達へと新たな指示を、下知をくださなけれいけない。
まあ、こんな事を
「糞ぉおおおっ! か、噛むなぁあああっ! 儂の腕をぉおおおっ!」
「うぐっ、ぐっ、ぐう、ぎぃ、がぶっ! い、痛いですわぁっ! 痛い! 臣下の身で誰の髪を引っ張っているのですかぁあああっ!」
「姫殿下が僕の髪を引っ張るからでしょうー! それと丞相閣下がぁあああっ!」
「儂はぁあああっ! 曹操、お主がぁあああっ! どさくさに紛れて、主の儂に謀反を起こしてきたから成敗をしているだけじゃぁあああっ!」
「わらわもそうですー! 王家の臣下の身の上でありながらぁあああっ! 次世代の太后陛下へとなるわらわに楯突きー! 謀反を二人が企てて決行してくるからぁあああっ! 天誅をくだしているだけでございますー!」
「はぁあああっ! 誰が! 誰がぁあああっ、謀反ですかぁあああっ! 僕は只主を返せぇえええっ! 僕の物! 僕の夫を返せと言っているだけではないですかぁあああっ! なのに、貴女達二人が僕の物を返さないからぁあああっ! 荒々しく慰謝料請求をおこなっているだけですー!」と。
魔王さまと女神さま、覇王さまの咆哮! 雄叫び! 絶叫! 悲痛な声音と共に、三人のトライアルの不満の会話が入り乱れて
彼は、『汗、汗』と、冷や汗を頬に垂らしながら、己の指先で頬を『ポリポリ』と、苦笑いを浮かべ。
「……仲頴、弁、孟徳の三人は、程々にね。怪我をしたら大変だから」と。
自身の【俺嫁】へと下知をくだすのだ。
「わっ、ははっ」と。
「ああ、分かっておるわ! 婿殿!」
「はい~。あなたぁ~。ほどほどのところでやめますからぁ~。わらわ達のことは気にせずに指揮を~!」
「
すると
まあ、相変わらず三人は、幼子のような喧嘩を続けているけれど。
それでも彼の、
彼の心の奥底から覇気!
やる気も湧いてくる。
「よし! いくぞ! 巨人へと止めだぁあああっ! 仕留めてやるぞぉおおおっ!」と。
彼は咆哮!
最後の下知を下していく。
◇◇◇
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