第173話 李儒(理樹)と内気な姫殿下【四】(8)

「……ん? 何?」と、声を!

 

「何だ? この騒めき? 騒々しさは?」と、驚嘆を漏らす。李儒(理樹)なのだよ。


 またそれに続くように、己の頭、頬を異性の股座、李儒(理樹)の膝の上に乗せ甘えていたエルフな女神さまも、横たわる己の肢体、優艶な裸体を慌てて起こして、自身が身を纏っていた衣服で、その優艶、雪のような肌やふくよかな二つの胸、乳房。その他大事な個所を慌てて隠し、己の顔色を青く変えながら。


「何故ここに、この空間に、沢山の者達……。狼藉者、匪賊の者達が何故押し寄せてくるのでしょうか? ここは、この場所は、普通の者。者達では見えぬ。わからぬ。外壁を張り巡らし。細工をしている空間なのに……」と。


 李儒(理樹)に己の清い身を捧げ甘えていたエルフの女神さまが、自身の顔色を変えたまま、動揺、困惑をした声色で李儒(理樹)へと説明をするのだ。


 それを聞いた李儒(理樹)は、「そうなんだ?」と、声を漏らしながらその場に立つ、立ち上がる。立ち上がる李儒(理樹)を見上げながら、エルフな女神さまは、「はい」と、言葉を返しながら頷く。


 また頷くだけならば良いのだが? 彼女はまた直ぐに口を開いて。


「あなた。あなたさまが特別。特別なのですよ。ここが見えた。こられたのは、わらわがあなたを。わらわのことを守り。守護してくれる勇者、騎士(ナイト)さまのことを、わらわは祈りを捧げながら。この場、この祭壇に誘う(さそう)。誘う(いざなう)ようにお呼びをしていたから。わらわのあなたさまには、この祭壇がある空間へと訪問、こられただけなのですよ」と。


 エルフな女神さまは、李儒(理樹)へと説明。……だけでは収まらず。


「だから普通の者。この地に住み暮らす戦姫達精霊には、この場所、空間は目にすることができない筈……。あの、魔王を持ってしてもこの場、空間は……。なのに? たかが、賊の将程度の戦姫に、この場を見つけ、外壁を、破壊工作をおこない。この空間を人の目に曝け出すよう荒々しい。物々しい行為はできない筈。筈なのですよ……。なのに? できる。できたとは可笑しい? 可笑しいのですが……」と。


 エルフな女神さまは、相変わらず己の顔色を変えたままの状態、様子で、更に不満を漏らす。


 李儒(理樹)に『可笑しい?』と、嘆くようにね。





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